全日本ジュニアやRSK全国選抜ジュニアにて優勝し、日本のトップとして活躍中のクロスリー真優が、8月よりアメリカに拠点を移した。
中学校に入った頃から海外でテニスを磨きたいという願望が出てきたというクロスリーは「英語を勉強したかったし、国内選手だけでなく、色々な国の選手と試合をしたくなった」ことをその理由にあげる。高校進学を前にして、通信教育を受けながらテニスをするのか、日本の強豪校に行くのか…と、思い悩んだそうだ。
そして、ジュニア部門においては全国優勝を果たしていること。JTA大会にも出場し、プロの選手と戦う経験をしたこと。これらを踏まえ、目指すべきさらに高いレベルの環境を求めて渡米を決めた。
留学先は、1970年〜80年代にわたってプロとして活躍し、18度グランドスラムを制したクリス・エバートさんが経営する『エバート・テニスアカデミー』だ。クロスリーは6月に1週間のキャンプでレッスンや寮生活を体験し、「コーチの人柄が良く、クラブがあまり大きくないのでアットホーム感があった」ところを気に入ったという。そして一番の大きな決め手となったのが「日本人がいなかったこと」だ。
日本人がいれば何かと心強い面はあるが、英語力やテニスの上達においての障壁になりかねない。あえて厳しい環境に身を置くことで、より早く、強くなりというという考えだ。
現在は朝5時45分に起き、7時からテニス。その後トレーニングを行い、学校へ行く。帰宅してからも練習があるので「思ったよりもキツイ」毎日を送っているそうだ。
「海外選手に適応できるテニスと語学力を身につけ、アメリカの大会、ITFにもたくさん出て、レベルを上げていきたいし、将来テニスだけでなく、いろいろな可能性を広げていきたい」というクロスリー。彼女の日々の積み重ねによって、人間としても大きく成長いくことだろう。
■クロスリー真優■
2006年6月15日生まれ。東京都出身の15歳。
2019年全日本Jr.14歳以下優勝。U13RSK全国選抜Jr.優勝。2021年MUFG全国Jr準優勝と好成績を収め、2021年8月よりクリス・エバートさんが経営する「エバート・テニスアカデミー」での活動を開始した。
取材・文/保坂明美