「2022 DUNLOP CUP全国選抜ジュニアテニス選手権大会兼ワールドジュニアテニス世界大会代表選考会」の決勝戦が、5月15日、千葉県・吉田記念テニス研修センター(TTC)にて開催された。

12歳以下の男子は、第3シードの石井千博(美浜テニスガーデン)と、第6シードの松岡朔杜(チェリーTC)の決勝に。準決勝で第1シードにフルセットで勝利し勝ち上がった石井は、「全国で絶対勝ちたくて、普段は声とかあまり出さないのですが、大声出しました」と決勝での戦いに意気込みを見せる。

試合の立ち上がりは1-4とリードを許すが、「コーチから、習ってきたことを全部出そうと言われていたし、応援にわざわざ来てくれた人もいたので、絶対に負けたくないと思って戦いました」と、粘りとともに強気のフォアを繰り出し5ゲーム連取の逆転で第1セットを獲得する。その後も果敢にネットアプローチするなど積極的なプレーを見せ、第2セットも6-4で奪取。初の全国優勝を果たした。

U 12男子優勝の石井 千博(左)と 準優勝の松岡朔杜

14歳以下の男子は、第8シードの川西飛生(TEAM KIT)と第6シードの戸邉悠真(公財 吉田記念テニス研修センター)との戦い。第1セットはホームコートの地の利もある戸邉が先取するも、次第にボールに合ってきた川西に第2セットを奪われる。

「相手がタフに返すようになり、簡単なポイントが少なくなってしまったので、敢えてセンターに返したり、相手の打点を少しずらすことなどを意識しました」という戸邉。最近、自分が好きではないプレーでも勝つために必要ならやるということを学んだことが、我慢の時間を越えて、ファイナルセットをもぎ取る結果となった。

また、今大会の大きな勝利は、準々決勝の田畑遼(むさしの村L.T.C)からの勝利だった。6度連続で負けていた相手に激戦を制して初勝利を挙げ、「その熱意を切らさないように」一戦ずつ戦った。

「どの全国大会よりも一番出たかったし、一番勝ちたかった」

ホームコートでの優勝が決まった瞬間、ジュニアやスタッフから拍手が送られる。戸邉の全国大会初優勝は、温かい空気に包まれた。

U14男子優勝の戸邉悠真(左)と準優勝の川西飛生

男子U12シングルス

■決勝
石井 千博 [3] 6-4 6-4 松岡 朔杜 [6]
3位決定戦:
川口 孝大[2] 6-0 6-2 安藤 大貴[1]
※天候によりコンソレーションはなし

男子U14シングルス

■決勝
戸邉 悠真 [6] 6-3 1-6 6-3 川西 飛生 [8]
■3位決定戦
尾崎 奏多 1-6 6-3 6-4 駒田 瑛人[5]
■コンソレーション決勝戦
義 基耀[4] 4-1 4-5(5) 10-5 山内 結月[7]

文・写真/保坂明美