北海道・札幌市にて2週にわたり、ITFワールドテニスツアーM25「UCHIYAMA CUP」が、平岸庭球場(北海道札幌市)にて開催。WEEK2の11日(最終日)は、シングルス決勝が行われた。

第1シードの野口莉央(明治安田生命)と、第6シードの伊藤竜馬の対戦は、決勝特有の独特な緊張感の中、長いストロークの攻防が繰り広げられる。

伊藤は前日3時間マッチを行い決勝は体調不良でリタイヤとなった。写真/UCHIYAMA CUP 長浜功明

 

野口キープで迎えた1−0の第2ゲーム、5度のデュースを繰り返した末、「風下だったので、粘れば何とかなると思っていた」野口が伊藤のサービスゲームをブレーク。折からの強風の影響も受ける中、伊藤のフォアの強打、野口の堅実なリターンとお互いの持ち味が出る展開となるが、ゲームをコントロールしていた野口が、6−1で第1セットを奪取した。

全てが楽な試合ではなかったが、冷静に試合と自分の状態を見極め、2週連続優勝を果たした野口。写真/UCHIYAMA CUP 長浜功明

第2セット、伊藤の反撃が待たれたが、第2ゲームで明らかに動きが鈍くなる。「昨日の疲れもあり、途中から呼吸が苦しくなり、ボールも見えないような感じになった」と、メディカルタイムアウトを取り、治療を受けるも回復の兆しは見られず、野口から4−0の時点で伊藤が体調不良でリタイヤを申し出た。

野口は2週連続優勝。ITF大会では今季4勝目を飾る。

「(連続優勝は)素直にうれしいですし、気持ちが切れずに2週間プレーできているのが大きいです。調子に乗らず、安堵もせず、切り替えができています。今はディフェンドするポイントがないので、来年のウインブルドンを目指し、この半年くらいが頑張りどころと思っています」

自分のテニスに必要だと思うものを積極的に取り入れ、咀嚼し、自分のものにしているという野口。月曜のランキングではキャリアハイを更新することとなった。次の大会は、柏の2万5000ドルを予定している。

2週間、ボランティアを含め多くのスタッフたちが大会に関わった。
写真/UCHIYAMA CUP 長浜功明

【試合結果】

2022年9月11日(土)11:00〜 札幌市平岸庭球場
男子シングルス決勝1試合

・男子シングルス決勝
野口莉央(明治安田生命)[1] 6-1 4-0 ret. 伊藤竜馬(橋本総業ホールディングス)[6]

※[ ]はシード順位

取材/保坂明美 写真/UCHIYAMA CUP 長浜功明