21日、オーストラリアのメルボルンで開催されているテニスのグランドスラムである全豪オープンは女子シングルス準々決勝2試合が行われ、第4シードの李娜(リー・ナ)と第30シードのウージニー・ブシャール(19歳、カナダ)がそれぞれ勝利。昨年のファイナリストであるリーと、初のグランドスラム準決勝進出を果たしたブシャールが、決勝への切符をかけて対戦することとなった。

この日の第1試合に登場したリーは、第28シードのフラビア・ペンネッタ(31歳、イタリア)と対戦。試合を通して23本のウィナーを決めたリーが、6-2、6-2のストレート勝ち。わずか67分で、最近5年間で4度目となるベスト4進出を決めた。

今大会の3回戦では、第26シードのルーシー・サファロバ(26歳、チェコ)にマッチポイントを握られ、まさに崖っぷちまで追い込まれていたリー。しかし、この試合を逆転で勝利すると、4回戦では生まれ変わったかのようなプレーで快勝、そして準決勝進出となった。

「彼女はタフな相手と分かっていました」とリー。「彼女とは4度対戦していますが、その全てがタフな試合でした。今日は何が起きたのか分かりません。ただ、良いプレーが出来ました。コートに入る前に、良い準備が出来ました」

続いて行われた第2試合では、ブシャールが第14シードのアナ・イバノビッチ(26歳、セルビア)に5-7、7-5、6-2の逆転で勝利。2時間27分のロングマッチを制し、グランドスラム本戦出場4大会目にして、ベスト4進出の快挙を成し遂げた。

昨年のウィンブルドン2回戦でも対戦していたブシャールとイバノビッチ。その時もブシャールが勝利しており、この日のイバノビッチはリベンジとばかりにスタートダッシュを決め、第1セットを先取すると、第2セットでも5-3とリードを奪っていた。

しかし、ここからブシャールが反撃に転じ、4ゲームを連取してセットオールとすると、第3セットでは一気に4-1とリードを奪いイバノビッチを突き放すと、最後はこの日47本目となるウィナーを決め、歓喜の瞬間を迎えた。

カナダ人女子選手として、およそ30年ぶりとなるグランドスラム4強入りを果たしたブシャールは「ファイトし続け、アグレッシブな気持ちを持ち続けました。第2、第3セットでは、コートの内側に踏み込むようにしました」と、試合を振り返った。

一方、4回戦で第1シードのセリーナ・ウィリアムズ(32歳、米国)を破る殊勲をあげながらも、ベスト4入りはならなかったイバノビッチは「彼女には明るい未来があると思います。最初は二人とも緊張していましたが、第3セットの彼女はとても強く、大きなポイントで本当に積極的でした」と、勝者を称えた。

元世界ランク1位のイバノビッチが初めてグランドスラムの決勝に進出したのは、2007年の全仏オープンのことで、当時19歳だった。