3月10日(月)グランドスラム大会に次ぐ格の男子テニス大会、 BNP Paribas Openの3回戦が行われ錦織圭は元世界ランク2位、第11シードのT.ハース(GER)に6-7(3-7),2-6のストレートで敗れた。
オープニング・ゲームをブレークし幸先良いスタートを切った錦織のテニスはハースを圧倒していた。簡単に勝利かと思わせるほどだった。この調子だったら4回戦でのフェデラーとの対戦が実現するだろうと見ていたのだが。
錦織のテニスについていけない35歳のベテランはイライラをコートに爆発させるような場面もあるほどだった。それも戦法の一つなのか、段々と錦織の攻撃テニスのコースを読み、パワーを吸収し、カウンターを放つ。
そして知らない間にハースのペースに持ち込む。そして途中からは錦織らしからぬミスも出始める。
「自分のミスがけっこう多かった、それが敗因。
スライスをうまく使われたり、けっこう粘り強く後ろからやられ、いつものように自分から攻め切れなかった。」と悔しさを押し殺して語る錦織。
ハースが強かったと言うより上手かった。ハースは錦織の良さを封印し勝利した。
その試合の詳細:

<3回戦>
●19)錦織圭 6-7(3-7) 2-6 〇T.ハース(GER)

ハースは同じIMGアカデミーの選手。錦織が初めてIMGに来た時色々と親切に接してくれた尊敬する先輩プレーヤー。来月には36歳になるベテランプレーヤー。今でも12位を維持している。ツアー優勝15回、準優勝13回、今年もツアーで準優勝している元世界2位だ。

錦織の試合はセンターコートのナイトセッション20時半から始まる予定だったが、その日の進行が遅れ二人の試合が始まったのは22時半。(日本時間14時半)
日本ではガオラが辻野プロ解説、美藤啓文MCで生放送されている。
2時間以上も進行が遅れているのにそれに対応してくれるガオラそしてそのスタッフに感謝!
地上波では番組編成の都合がありこう柔軟には対応できない。
北海道日本ハムや阪神タイガースのオープン戦がなかったのもラッキーだ。

オープニングゲーム、ハースは40-0としていたが、錦織がしっかりしたストロークから3ポイント連取しデュースとする。
バックのダウン・ザ・ラインを決め、アドバンテージ錦織、
なんとハースはダブルフォルト!
いきなりブレークのスタートになった。

錦織は良いサーブを放ちそして攻撃、ラブでキープする。

第4ゲーム、ハースのドロップ・ショットに錦織は素早く対応、そのボールを短く返すような雰囲気でロング目に打つ。
試合巧者のハースであるが予想外のコースだったので一歩も動けない、ボールを見送るだけだった。「ケイ、やるな~あ!」とハースは思っていただろう。(でも、これがハースに火をつけてしまったのだろうか?)
またラブでキープ、錦織3-1。
ここまでは完全に錦織のペースで試合は進む。

35歳のベテラン、ハースはさすが元2位、うまいテニスを見せ、キープしていく。

そしてドロップ気味のリターンなどで、錦織をゆさぶる。
錦織はフレームショットでサーブを落とした。(3-3)
あっと言う間に流れが変わっていく。

ハースのサーブで40-15から錦織は振られながらもクロスのパッシング・ショット
を決めた。
しかしハースはキープする。

バックをふかし、30-40、なんとダブルフォルトで第8ゲームを失う。(錦織3-5)

ハースのサービング・フォ・ザ・セット、15-40とブレーク・バックのチャンス。
30-40、ハースのバックのクロスはワイド、錦織がブレーク・バックに成功した。(錦織4-5)

錦織、最初のポイントは落とすが30でキープ、5-5。
ハースの片手打ちバックハンドがきれいだ。その美しい片手打ちのバックで攻撃、ハースもキープ。

5-6、錦織のサーブ、攻められトップスピン・ロブを放つがスマッシュを決められる、30-30となるが、
40-30からサービス・エースでキープ、6-6としぶとくプレー。

タイブレーク

ハースのサーブで始まる。ハースはフォアをロング、ミニ・ブレークのスタート。

19回のラリー、錦織のバックはワイド。
フォアをロング、錦織も2つ続けてミニブレークバツクされる。

ハースもバックをネット、またミニ・ブレークで2-2。
16回のラリー戦はハースが取る。(錦織2-3)

15回のラリー中、ネットに跳ね短くなったボールを錦織はつきネットに出る、ハースはここで絶妙なロブをあげる、錦織は背走し股抜きショットでつなぎラリー戦になるが、ハースが取る。(錦織2-4)

17回のラリー、ハースがまた取る。錦織はまだサーブが一本もキープできていない。(錦織2-5)

25回のラリー戦、ハースが取り、6-3とセットポイント。
良いラリー戦が続くが錦織が先にミスをしてしまう。
ハースは後ろに下がりペースをつけてつなぐ時とベースライン上から高い打点でバンバンと攻撃する時のメリハリが良い。そしてプレッシャーのかけかたがうまい。

錦織のバックのクロスが当たりそこないワイドに、錦織は第1セットを落とす。

第2セット

錦織が攻め勝つパターンだったが、ハースがコースを読み切りポイントを取る。
うまい試合運びでハースがキープ、1-1。

ハースは35歳、4月3日には36歳になるとは思えない。
錦織に打たせ、ハースはベースライン後ろでバックだったらスライスなど混ぜてくる。
守るだけでなく、ベースラインの内側に入り高い打点から攻撃もしかけてくる。

2-2、15-40、攻めた錦織、ハースはバックで高~いロブをあげる。
錦織はスマッシュをアウトに!錦織にしては珍しい凡ミスだ。
ハースのプレーがそうさせるのだろう。(錦織2-3)

錦織の攻撃を長いリーチでかわしていくハース、
守りきり、オープンができると逆襲する。
それも難しい片手のバックハンドトップスピンで。錦織2-4

2-4、錦織はゲーム・ポイントでダブルフォルト、デュース
バックのダウン・ザ・ラインにハースは高い打点から打ち決める。ブレーク・ポイント握られた。
デュースにするが、
2度目のブレーク・ポイント、ハースのバックはネットにあたりポトリと錦織のサイドに落ちる。(錦織2-5)

ハースのサービング・フォ・ザ・マッチ、錦織のバックのレシーブはワイド、40-15とマッチポイントを握られる。
フォアのリターンはロング、
錦織は自分のプレーができずに敗れた。

全豪オープンでは最強のストローカーナダルを苦しめたテニスができたのに、ストローカではないハースの緩急あるテニスに錦織は翻弄された。

錦織 圭 ブログ
錦織 圭 データー 1989年12月29日生まれ 24歳

大会名:BNP Paribas Open
ATPカテゴリー:$6,200,000 ATP Masters
WTAカテゴリー:$6,000,000 WTA Premier
会場:インディアンウェルズ テニスガーデン
現地時間(時差-16時間)
期間:03/07-3/17,2013
男女世界のトッププレイヤー達が出場義務のある2週間にわたる大会。
ガオラ生放送

オーダー・オブ・プレー
ライブスコア

<3回戦>
●19)錦織圭 67(3) 26 〇T.ハース(GER)

<2回戦>
〇19)錦織圭 61 63 ●ギラルド(コロンビア)
ドロー
ドローPDF版

女子本戦ドロー
女子予選ドロー
女子ダブルスドロー

(記事 テニスジャパン 塚越 亘)