11月11〜12日、 女子テニスの国別対抗戦 「ビリー・ジーン・キング・カップ 」(旧フェド杯)。「日本対ウクライナ戦」が有明コロシアム(東京都・江東区)で行われた。
初日に2敗を喫した日本は、12日のシングルスNo.1対決で、内島萌夏(フリー)がマルタ・コスチュクに敗れ、0−3となり、日本のプレーオフ敗退が決まった。日本は2023年、「アジアオセアニアグループⅠ」で戦うことになる。
●内島萌夏 0-6 3-6 ◎M・コスチュク
No.1同士の対戦となる内島と、コスチュクの対戦は、ホームコートアドバンテージを生かすことができなかった。
立ち上がり硬さの見られたコスチュクに、内島はブレークポイントを握るも、取り切るには至らず。「あれを取っていれば流れが変わったかも」と後に語ったように、反対にコスチュクが大きな波に乗った。
コスチュクはシングルス70位、ダブルス46位という実力者。内島のフォアを封じ、サービスやリターンでプレッシャーをかけていく。勝負師という点においては、コスチュクの経験と実績が上回った形となった。
日本のNo.1シングルスとして有明コロシアムに立った内島にとってはほろ苦い敗戦となった。
「No.1としての経験もまだまだ浅く、トップの選手とやっと戦えるとこまできた。課題もいっぱいある中でも、土橋監督に選んでいただいたのに結果が出せず、悔しいです」と涙浮かべる。連戦が続き、身体が万全ではない中でも最善は尽くした。WTAランキング105位まで辿り着いたその力を信じ、さらに進み続けることが今後の勝利へと繋がっていくだろう。
◎青山修子/柴原瑛菜 6-3 6-3 ●リュドミラ・キチェノク/カタリナ・ザワツカ
試合が決したため、第4試合に予定されていたシングルスはキャンセルされ、青山修子/柴原瑛菜組と、リュドミラ・キチェノク/カタリナ・ザワツカ組のダブルスが行われた。
来年の全豪で再びペアを組む予定をしている、青山/柴原は、ロブや角度のついたボレーなど、球種の豊富さで相手を翻弄する。終始試合を先行し、世界トップレベルのダブルスの強さを見せつけた。
「今日は勝敗が決まった後での試合でしたが、やることは変わらず、自分たちのいい試合すること、勝つことを目標に準備しました。もっとこうしたら良かったというところはありましたが、全体を見てみると2人の勢いを出せた試合だったと思います」(青山修子)
「チームは負けちゃったのですが、青山さんと楽しく終わろうと言っていて、みんなにいい試合を見せることができてとてもうれしいです。土橋さんは私が日本国籍になった最初から見守ってくれて、ありがたい気持ちでいっぱいです。最後に一緒に戦えて良かった」(柴原瑛菜)
「(チームが敗退したのは)残念な結果ではありますが、受け入れなければなりませんし、今後の課題が明確になったと思います。それはチームとしてもそうですし、個人としても成長するチャンスだと捉えれば、意味のあることだと思います。杉山愛さんに良いバトンを渡すことができなかったことは悔しいですし、申し訳ない気持ちです」(土橋登志久監督)
全試合終了後には、チケット1枚購入にあたり、500円をウクライナのテニス振興のために寄附されることとなっていた寄附金が贈呈され、スポーツを通じて国と人がつながる光景が見られた。
ビリー・ジーン・キング・カップ
2022 プレーオフ
日本対ウクライナ戦
会場:有明コロシアム
開催日時:11月11、12日
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11月11日
●土居美咲 6-7(1) 4-6 ◎M・コスチュク
●内島萌夏 6-7(3) 2-6 ◎K・ザワツカ
11月12日
●内島萌夏 0-6 3-6 ◎M・コスチュク
土居美咲 vs K・ザワツカ(試合が決したため、キャンセル)
◎青山修子/柴原瑛菜 6-3 6-3 ●L・キチェノク/K・ザワツカ(ウクライナは選手変更)
2022 プレーオフ
◆日本女子シングルスランキング(11/7付け)
42位 大坂なおみ(フリー)
105位 内島萌夏(フリー)
137位 日比野菜緒(ブラス)
180位 土居美咲(ミキハウス)
212位 本玉真唯(島津製作所)
220位 内藤祐希(亀田製菓)
285位 松田美咲(橋本総業ホールディングス)
294位 坂詰姫野(橋本総業ホールディングス)
306位 岡村恭香(橋本総業ホールディングス)
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記事:保坂明美 写真 鯉沼宣之/伊藤功巳