昨年、東京の有明テニスの森で開催されている全日本テニス選手権、男子シングルス1回戦で鈴木貴男(37歳、イカイ)に7-5(5)、6-0で快勝し勝ち上がり、2011年に続く2度のベスト4進出を果たした田川翔太(22歳、早稲田大学)はインカレ3連覇を果たすも、4月からは保険会社に就職する。
世界ランク最高647位、サービスとフォアハンドで攻撃するプレースタイルで2011年の全日本選手権では前年度優勝者の杉田祐一(25歳)を相手にフルセットで勝利すると続く準々決勝では内山靖崇(21歳、北日本物産)にストレートで勝利するなど活躍を果たしている。
田川が世界を目指して練習に励むジュニア選手たちに向けてメッセージを送った。
「努力は必ず報われる」
「ジュニアの時は勝てなかった。でも勝てない時でも諦めずに努力してきた。高い目標を持って練習を誰よりもしてきた。だから勝てるようになった。全国で活躍している選手も、向上心を持ち続けて、世の中にはもっともっと強い選手は沢山いると思って努力を続けて欲しい。どんな時でも諦めずに努力してきた事が良かった。」
また有明を沸かせた田川自身のプレースタイルと気持ちの入ったプレーぶりからのアドバイスも。
「内へ内へ籠らない。ナーバスに考え過ぎす。ポイント取る執着心持って、相手に威圧感与える迫力、気迫も前面にコートで出して戦えば、コートでの状況を変える事も出来る。」
「ポイント落としうつむいたり、嘆いても良いことはないよ。よし次、声を出して悔しがり、相手に立ち向かえる、相手をのんでかかる姿勢でコートに立ちプレーを表現したら、選手同士の戦いがあって、自分も観ている人も面白いんじゃないかな。」
いずれのショットも相手にコースが分からない、対戦相手に予想させない事、幾つかのオプションを持って試合を常に優位に進めて戦った田川。
173cmながらコートで存在感を示した活躍は、同年代でプロとしてツアーを回る選手たち、また多くのジュニア選手たちにとって勇気づけられる存在として輝いている。
全日本テニス選手権2013
男子シングルス
準決勝
準々決勝
2回戦
1回戦
※カッコ[ ]内数字はシード順位、W:主催者推薦出場
記事:長嶋秀和