女子テニスの国別対抗戦 「ビリー・ジーン・キング・カップ by Gainbridge(旧フェド杯)日本対コロンビア」の1日目が、11月10日(金)、有明コロシアムにて行われた。

両国のシングル1とシングルス2が戦うこの日は、1試合目に本玉真唯とカミラ・オソリオが、2試合目に日比野菜緒とユリアナ・リサラソが対戦した。

オープニングマッチを戦った本玉真唯。写真:鯉沼宣之

本玉真唯はシングルス1のオソリオに健闘

「出だしは悪くなく、いい緊張の中で戦えた」という本玉は第1ゲームでオソリオのサービスゲームをブレークする。しかし、次のサービスゲームを落としてからは、ブレーク合戦の様相を呈する。

「自分から打っていくよりも少し引いて、相手にラリーさせるようにした」というオソリオは、本玉が仕掛けてくるのを多様な球種を使って待ち、オープンコートへ打ち抜いた。

「自分のミスをしてしまっているところに相手がボールを集めてきた。セカンドセットでリードしたときに相手にやられたり、自分が決めきれなかったところはまだまだ足りないところ」と語ったように、第1セットは相手に許した唯一のサービスキープを守られ、第2セットは序盤で握ったブレークポイントを取り切ることができず、4−6、4−6で敗退した。

敗れたとはいえ、カウンターで奪うエースや、アングルショットからの展開はランキング79位のオソリオにも引けを取らなかった。

杉山愛監督は「オソリオはテニスの奥深さを知る試合展開をした、あと1ポイント、2ポイント取れていたらスコアも変わっていた」と、本玉の戦いを評価した。

「団体戦のいいところは一つ負けてもチームが勝てば勝ち。明日も自分のテニスがしっかりしていれば勝てると信じて自分のプレーをやり切ることしか頭にない。チームのみんなに背中を押してもらって頑張りたい」と本玉も意欲を見せた。

日比野菜緒とY・リサラソ。写真:鯉沼宣之

日比野菜緒はショットのクオリティの高さを見せつけ勝利

「すごく緊張した」と日比野が言うように、立ち上がりこそ固さが見られたが、終わってみれば6−2、6−4。第1セットの第4ゲーム、第2セットの第4ゲームで1ゲームずつブレークされたものの、サービスやリターンの精度、そして1本のウイナーの鋭さは、終始相手を上回り、6−2、6−4でエースの風格を見せた。

相手のリサラソは「タフな試合になった。日比野は安定してプレーした。自分もベストを尽くし、相手を先に動かそうと思っていたが、逆に動かされた」と舌を巻く。

日比野は「まず勝てたことがすごくうれしい。たくさんのお客さんに来ていただき、声援に後押ししていただいた。チームのみんなもすごく盛り上げてくれて、そのエネルギーに助けられた」と感謝する。

意外にも日比野は有明で国別対抗戦を戦うのがこれが初めて。「正直、有明はいい相性ではないと自分は思っていて、選ばれて不安もあったのですが、1週間良い調整ができたので、自信を持って臨めた」と笑顔を見せた。

杉山愛監督は、ホームでの初陣1日目を1−1で折り返した。写真:鯉沼宣之

杉山監督は「コロンビアというタフなチームとホームで戦うということは、励みになるとともにプレッシャーも感じる部分も少なからずある。監督として今日はアジア・オセアニアゾーンとはまた違った緊張感を持って選手を送り出した」と有明での初陣の感想を語る。

さらに「本玉選手はいいエネルギーで戦って、日比野選手にいい形で渡してくれた。日比野選手はエースらしくやるべきことがしっかりできたと思う。冷静に攻守のバランス良くやりきれたので、素晴らしい1勝をもぎ取れた。明日に良い形でつながったと思う」と明日を見据えた。

コロンビアのズルアガ監督は「ファイトすることを忘れないようにしたい。今日のようにベストを尽くし、もう少し頑張る、もう少しファイトする、心を入れて100%以上のプレーすることで立ち向かっていきたい」とアウェーでの日本撃破に向けて気を引き締めた。

コロンビアの明日はシングルスのエース、No.2対決と、ダブルスの3試合がある。

【BJK杯フォーマット】
シングルス4試合、ダブルス1試合の計5試合のうち先に3勝した方が勝利。初日に両国のシングルス1vsシングルス2を2試合、2日目にシングルス1vsシングルス1、シングルス2vsシングルス2、ダブルスの3試合が行われる。試合方式は3セットマッチ。勝利チームが翌年のファイナル予選へ、敗退チームがグループ1へ回る。

【11月10日】16時より
第1試合
本玉真唯 (24歳、124位)4-6,4-6 ○C・オソリオ(21歳、79位)
第2試合
日比野菜緒(28歳、90位) 6-2,6-4 ●Y・リサラソ(30歳、823位)

【11月11日】13時より
第3試合
日比野菜緒vs C・オソリオ(21歳、79位)
第4試合
本玉真唯 vs Y・リサラソ(30歳、823位)
第5試合
青山修子/柴原瑛菜 vs マリア・エラソゴンサレス/マリアパウリナ・ペレス-ガルシア

■日本代表メンバー
日比野菜緒(ブラス)
本玉真唯(島津製作所)
坂詰姫野(橋本総業HD)
柴原瑛菜(橋本総業HD)
青山修子(近藤乳業)

■コロンビア代表メンバー
C・オソリオ
M・エラソ ゴンサレス
Y・リサラソ
MP・ペレス-ガルシア
監督:F・ズルアガ

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日本女子ランキング(11/6付け)
◆シングルス
90位 日比野菜緒(ブラス)
124位 本玉真唯(島津製作所)
178位 坂詰姫野(橋本総業HD)
181位 内島萌夏(安藤証券)
259位 加治遥(島津製作所)
269位 細木咲良(原商)
◆女子ダブルス
12位 青山修子(近藤乳業)
14位 柴原瑛菜(橋本総業HD)
27位 加藤未唯(ザイマックス)
48位 穂積絵莉(日本住宅ローン)
49位 二宮真琴(エディオン)
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取材/保坂明美 写真/鯉沼宣之