11月13日(月)〜19日(日)に本戦が行われる『兵庫ノアチャレンジャー』は、今年で7年目を迎える。2015年にスタートして以来、関西圏で見られる国際大会として多くのファンが訪れる大会へと成長した。今大会の特別協賛を務めるノア・インドアステージ社長の大西雅之氏に大会にかける思いを聞いた。

――2015年の1回目から、コロナ禍による2年間の中止もあり、今年で7回目を迎える『兵庫ノアチャレンジャー』ですが、改めて大会の創設意図をお聞かせください。

大西雅之社長(以下大西) 「2015年、当時の日本人選手たちは、トップ100に入ることをまず目標にしていました。私はそこまでツアーやランキングの仕組みについて理解でしていたわけではありませんが、そういう選手が這い上がっていくきっかけとなるものとして開催したのが始まりです。その頃は全日本選手権に日本のトップが出ているかと言わればそうではなく、しかもジャパンオープンも東京で開催ということで、関西ではそういう選手を見ることができませんでした。関西で日本のトップの試合が見られて、四大大会出場を果たすための登竜門的な大会になれば、ということでチャレンジャー大会をスタートしました」

――大会としての成長としてはどのようにお考えですか?

大西「おかげさまで1週間通じて約1万人以上の観客の方に来ていただけるチャレンジャー大会へと成長しました。非常にやり甲斐もありますし、日本人選手も何人かチャンピオンになり、その結果が四大大会へつながっているという例もありますので、継続してきて良かったと感じでいます」

――関西のテニスファンの間で定着しているように思えます

大西「やっぱりSNSの力も大きいと思います。7年前はSNSがそこまで普及していなかったので、宣伝にもテレビにお金を使っていましたが、だんだん認知度が高まり、広がっていきました。無料ですし、室内ということで観戦もしやすいところも良かったのではないでしょうか」

――大西社長ご自身が、この大会をやっていて良かったと思われたことはありますか?

大西「兵庫の姫路からテニスのビジネス広げてきたのでやっぱり兵庫、そして関西の方に還元したいという思いもあり、継続させてもらいました。採用面接の時に地方の人にこの会社を何で知ったか聞くのですが、その時この大会の名前を挙げてくれることがあります。あ、そうか、結構みんなに知ってもらえている、全国に広がっていると思い、そういうところは嬉しかったですね」

昨年の男子決勝にてコイントスを行った大西雅之社長

――大会は兵庫県テニス協会によって運営されていますね

大西「協会はジュニアの国際大会や、以前はイザワクリスマスオープンもあったりと、経験もあるので大会を運営するのはとても上手ですね。あとは派閥がないというか、みんなか仲がいいというか変な足を引っ張りやったりとかしない。審判やボーラーなどうまく集められているのは、協力体制がしっかりしているからだと思います」

――ノア・インドアステージさんとしては、日本リーグへの参戦も行っています。選手を抱えて、サポートもされています。その意図としてはどういうところにありますか?

大西「テニスをやっているジュニアの家庭が、全員遠征に出せるほどお金の余裕がある家庭なわけではありませんよね。それに18歳くらいまではなかなかスポンサーがつきません。そういう理由で選手が志半ばで諦めてしまうなら、少しでも応援してあげたいという思いです。もちろん会社としてしっかり目標を持って日本リーグに取り組みたいという思いもあります」

――では今後具体的に大西社長が目指しているものはありますか?

大西「テニスだけでなく、他のスポーツもそうですが、やはりスター選手が出てくることが、人気が高まり、発展する近道だと思います。我々としては、この少子化の中、子供たちが『テニスをやりたい』と言ってもらえる環境作りが必要です。ここ2年4週連続してチャレンジャー大会が開催されることは、日本テニス界にとって本当に大きなチャンスだとも思います。まずはこの形を継続していきたいと思います。そして、ゆくゆくはATP250大会に格上げできるくらいになればと思っています。

――ATP250大会は日本にないので、それは素晴らしいですね!

大西「チャレンジャー大会で日本のトップ選手の試合は見られるようになってきたので、やはり次の目指すところとしては、世界のトップの試合が見られるような環境を作っていきたいですね。まだその作り方や仕組みという部分ではわかりませんが、関西のテニスをもっと盛り上げたい気持ちがあるので…」

――テニス観戦という文化も育っていきそうです

大西「やっぱりテニスは、仲間ができやすいスポーツですし、家族でやっていけるところが魅力だと思います。今日見た試合の話を仲間や家族で楽しめるというコミュティとしては本当に素晴らしい世界です。観戦が刺激になって、いい選手が出てきたり、モチベーションが上がっていくことが理想ですね。もちろんそのためには我々の会社全体でも頑張っていかないといけません!」

――良いお話をありがとうございました。大会の発展を心よりお祈りします。

兵庫ノアチャレンジャー
11月12日(日)〜19日(日)
本戦13日〜
出場選手:望月慎太郎、清水悠太、羽澤慎治、市川泰誠、上杉海斗、松井俊英他
会場:ブルボンビーンズドーム
カテゴリー:ATPチャレンジャー
ライブ配信:チャレンジャーTV
ライブスコア:ATP SCORES

取材・写真/保坂明美