男子のATPチャレンジャー大会『兵庫ノアチャレンジャー』が、ブルボンビーンズドームにて開催されている。11月18日にはシングルス準決勝と、ダブルスの決勝が行われた。

シングルスベスト4で唯一の日本人選手となった島袋将(有沢製作所)は、前週の『愛媛国際オープン』にて優勝した、イタリアのルカ・ナルディと対戦し、6ー2、6ー2、わずか59分で勝利し、決勝進出を果たした。

質のいいボールを心がけることで「精神的な余裕ができた」という島袋。

常に攻める姿勢を崩さず、長い打ち合いに入るより先に決めきる圧巻の勝利だった。しかし、約1か月前の『木下グループジャパンオープン』では、1回戦でクリスチャン・ガリン(チリ)にフルセットで破れた後、「オープンコートができると焦ってミスが出てしまった」と自らの課題について話していた。

だが、今大会では、課題を見事に克服した姿を見せた。「質のいいボールを打って、相手を崩すという考え方に変わった」ことにより、決め急ぐことがなくなった。3球で決まらなくとも、少しずつ追い込めればいいという思考は「何よりも精神的な余裕につながっている」という。

また、ナルディのバックハンドは、フラットからドロップショットまでコンパクトなテイクバックから多彩なショットを打ち分ける武器でもある。しかし島袋はそこから逃げず、スピードボールでコーナーを突き、チャンスボールを誘い出した。

得意のバックハンドを島袋のパワーに封じられたナルディ。

「もちろん相手がバックハンドを得意なのはわかっていたけど、引かずに真っ向勝負をしたかった」とあえて狙ったことを明かす。ナルディは体勢を崩され返球することが多くなり、ドロップショットもボールの威力に押されネットした。

決勝で対峙するのは、クロアチアのドゥジェ・アイデュコビッチ。愛媛の2回戦で敗れた相手だ。「リベンジしたい気持ちはある」としながらも「日本のチャレンジャーではまだ優勝したことがないし、明日が今季最後の大会なので、悔いのないように戦いたい」と、今年の集大成となる試合を約束した。

なお、ダブルスはエヴァン・キング/リース・スターダーのアメリカペアが、ナム・ジソン (KOR)/アンドリュー・ハリス(AUS)ペアをフルセットで破り優勝した。

キング/スターダー(向かって右のペア)が優勝した。

兵庫ノアチャレンジャー
11月12日(日)〜19日(日)
本戦13日〜
会場:ブルボンビーンズドーム
カテゴリー:ATPチャレンジャー
ライブ配信:チャレンジャーTV
ライブスコア:ATP SCORES

取材・写真/保坂明美