実業団の団体戦「第38回テニス日本リーグ」の決勝トーナメントが、東京体育館で2月16日から18日にわたり行われた。女子の決勝は前回と同じく、橋本総業ホールディングス対島津製作所となり、橋本総業HDが昨年のリベンジを果たして4度目の頂点に立った。

優勝した橋本総業ホールディングスのメンバーが抱き合って喜ぶ。写真:伊藤功巳
橋本総業ホールディングス、シングルス2の岡村恭香は、1セットダウンから追い上げを見せた。写真:伊藤功巳

最初に行われるシングルス2(以下S2)の試合から激戦となった。橋本総業HDの岡村恭香は第1セットを2-6で落とすが、セット終盤に「打ち合いの中で、中に入って攻めていく」というプレーが機能していると感じることができ、第2セットを6-1で奪取。ファイナルの10ポイントタイブレークに持ち込んだ。岡村にも、島津の加治遥にもマッチポイントは訪れ、どちらが勝ってもおかしくなかったが、岡村は惜しくも勝利を逃した。

坂詰姫野はストレート勝利でエースの責務を果たし、吉田友佳総監督と客席に挨拶。写真:伊藤功巳

岡村の熱い気持ちはシングルス1の坂詰姫野にしっかりと伝わった。前回同様に本玉真唯との対戦となり、第1セットを6-3で取る。前回はここから逆転を許したが、今回はストレートで勝利した。「前回は勝たないといけない気持ちが強かった。今回はどんな状況で回ってきてもやるべきことをやること。今の自分のプレーがどこまで通用するのか、すごく楽しくプレーできました」と吹っ切れた様子で語る。坂詰がエースの仕事を果たして、勝敗はダブルスに委ねられた。

ダブルスの小堀桃子と森崎可南子は、劣勢から挽回して勝利を手に入れた。写真:伊藤功巳

ダブルスの小堀桃子・森崎可南子組は、第1セットを「何もせず、先に仕掛けられて」取られてしまう。トイレットブレークの時に、「もっと動いていこう」と決め、ポジションチェンジをしたりと動きを出し、第2セットを取ってファイナルセットへ。先にリードされるものの、ベンチコーチとして入っていた小関みちかに「魂がこもっているボールを打て」と言われて、「いける」という気持ちになり、見事逆転に成功。橋本総業HDの優勝が決まった。

橋本総業HDの総監督である吉田友佳さんは、「ファーストステージ、セカンドステージ、ファイナルと進むにつれてチーム力が上がりました。優勝を目指して1年間やってきたので、最高にうれしいです。みんなで勝ち取った優勝は意味があります」と喜んだ。

優勝の橋本総業ホールディングス。写真:伊藤功巳

<女子決勝戦スコア>
橋本総業ホールディングス 2-1 島津製作所
S1/坂詰姫野 6-3, 6-2 本玉真唯
S2/岡村恭香 2-6, 6-1, 13-15 加治遥
D/小堀桃子・森崎可南子 1-6, 6-4, 10-8 桑田寛子・永田杏里

準優勝の島津製作所。写真:伊藤功巳

<女子決勝トーナメント結果>
優勝/橋本総業ホールディングス
準優勝/島津製作所
3位/橋本総業
4位/リコー 
5位/ノアインドアステージ
6位/フクシマガリレイ

文/赤松恵珠子 写真/伊藤功巳