11月17日(日)から22日(金)まで、有明テニスの森公園・有明コロシアムにて開催されている45歳以上の世界一を決める国別対抗団体戦、『ITFマスターズ 世界チーム選手権 in 東京 2024 supported by SENKO』は、20日、大会4日目を終え、男女日本チームは準決勝へ進出した。

3チームの総当たり戦を1位で通過した男子日本チームは、この日、決勝トーナメントの1回戦を行い、フランスを2-0で倒した。

第1試合、シングルス2の寺地貴弘(45歳/元世界219位)は、選手時代を彷彿とさせるリターンエースやカウンターで4-0とリードする。徐々に調子を上げてきたフランスのギヨーム・レガットは、寺地が得意とするバックハンドのラリーで優位に立つこともあったが、サービス力で上まわる寺地がキープを続け、6-2第1セットをものにする。

「フィジカルというより心が疲れていた」という寺地に、レガットはバックのラリーを避け、フォア側へ先に展開する。ここでミスが出た寺地は第2セットを3-6で落とすと、試合はファイナルセットへ。

第1ゲームをブレークされるもすぐにブレークを返す寺地。「このゲームがキーだった」と振り返ったように、離されなかったことで、再び闘志に火がつき、このセットを6-3でもぎ取り勝利した。

「だんだん試合が楽しくなってきました。ここで戦って、勝ったらチームの勝利が近づいてくるので、今できるパフォーマンスを必死にやった結果です」。年齢は重ねど、コートに立てば自然と出てくる勝負師の魂を見せた。「ドロップショットは追わないことにしました」と大会序盤で笑っていた寺地はもうそこにはいなかった。

フルセットで試合を制した寺地貴弘(左)写真:SPORTS SUNREISE .COM

エース対決となる本村剛一(50歳/元世界134位)とザビエル・オードゥイの対戦も、お互い引かない接戦となった。「自分が勝てば勝利が決まるという試合だったので、力んでしまった」と6-7(7)でファーストセットを落とす。

第2セットでは、「気分的にもう少し伸び伸びいこうという気持ちになった」をいう本村が、第6ゲームでブレークを果たす。しかし、力みを伴う第1セットの攻防が、次第に身体を襲い始め、痙攣の兆候が訪れた。「スピンよりもフラット系でロングラリーを避けて戦うようにした」作戦が奏功し、第2セットを6-3で奪う。

第3セットは「相手よりも、ポイントよりも、とにかく淡々と、痙攣がひどくならないようにと考えた」ことで、頭の中はシンプルになり、ボールは伸びた。

「気質が自分と似ている」と本村がいうオードゥイは、パワフルなショットも時としてあれど、要所で固さが見られ、リターンミスや、ダブルフォールトもあり、それにも助けられた。ホットクリームを塗りながらコートに立ち続け、最後は6-2で試合を締めくくった。

「昔と違うところは、状況に合わせて試合中に対処できるところ。現役時代だったら力んだままで試合を続けて、最終的には全身痙攣でしたね」と笑う本村。

3セットマッチを毎日行うハードなスケジュールだが、「とはいえ全員45歳以上。この中でマークしたキャリアハイは日本が一番上、自分が一番強いんだというモチベーションで戦っている」。コートに全てを置いてくる覚悟で、残り2試合を戦う.

痙攣を起こしつつも勝ち切った本村剛一(左)写真:SPORTS SUNREISE .COM

なお、女子の日本代表チームもフランスと対戦した。シングルス1-1で分けた最後のダブルスで、ファイナルセット・マッチタイブレークを10-8で制してベスト4へ進出した。

江馬愛子/橋本明香ペアはマッチタイブレークを制して準決勝へ進出を決めた。写真:SPORTS SUNREISE .COM

21日には準決勝が行われ、男子日本はドイツとショーコートで、女子アメリカとコート2で10時より試合を行う。

(※個人戦は23日〜30日)

□日本男子準々決勝結果□
日本vs フランス(11/20有明テニスの森インドアコート)
MS2
○寺地貴弘 6-2 3-6 6-3 ︎ギヨーム・レガット
MS1
○本村剛一 6-7(7) 6-3 6-2 ︎ザビエル・オードゥイ
MD 
 有本尚紀/福田勝志 勝敗が決まったため行われず アレクサンドル・マルティナット/スティーブ・ポルテル

□日本女子準々決勝結果□
日本vs フランス(11/20有明テニスの森インドアコート)
MS2
○江馬愛子 6-7(6) 6-4 6-3 ︎カリーヌ・メゾンナーヴ
MS1
︎橋本明香 1-6 2-6 ︎セゴレーヌ・ベルジェ
MD 
○江馬愛子/橋本明香 6-4 6-7(3) [10-7] セゴレーヌ・ベルジェ/カリーヌ・メゾンナーヴ

大会HP
https://itfmasters.tournamentsoftware.com/sport/tournament.aspx?id=B6AEB83E-0666-448C-974E-C283C77B2A11

日本男子ドロー
https://itfmasters.tournamentsoftware.com/sport/drawsheet.aspx?id=B6AEB83E-0666-448C-974E-C283C77B2A11&draw=7

日本女子ドロー
https://itfmasters.tournamentsoftware.com/sport/draw.aspx?id=B6AEB83E-0666-448C-974E-C283C77B2A11&draw=24

​<団体戦・男子日本代表>
本村剛一(元デ杯選手・全日本テニス選手権チャンピオン・グランドスラム出場)
有本尚紀(ITFマスターズ世界ランキングNO.1・200kmのサーブが武器)
福田勝志(現役プロプレーヤー・今年度全日本テニス選手権30回目の出場)
寺地貴弘(元デ杯選手・全日本テニス選手権チャンピオン単複混・アジア大会金メダリスト)

<団体戦・女子日本代表>
橋本明香選手(全日本ベテランチャンピオン)
江馬愛子選手(全日本チャンピオン・全日本ベテランチャンピオン)        
風間亜希子選手(ITF MT700,MT400 Singles Champion)
平山由美選手(ITF MT700,MT400 Singles Champion)

写真:SPORTS SUNREISE .COM