11月17日(日)から22日(金)まで、有明テニスの森公園・有明コロシアムにて開催されている45歳以上の世界一を決める国別対抗団体戦、『ITFマスターズ 世界チーム選手権 in 東京 2024 supported by SENKO』は、21日、大会5日目を終え、男子日本チームがドイツと戦い、2-0で倒し決勝へ進出した。
シングルス2の寺地貴弘(45歳/元世界219位)は、ドイツのマティアス・ハーンを6-3 6-4のストレートで下し、チームに勢いをもたらす。
第1セットはお互いキープが続く中、第8ゲームでブレークに成功し5-3とすると、次のゲームではサービスエースを決めてこのセットを奪取した。
第2セットは相手の捨て身のショットもあり第2ゲームでブレークを許すが、第7ゲームでブレークバック、第9ゲームもブレークし、そのまま勝利へと突き進んだ。
「相手が左利きということで、自分のバックが相手のフォア側になることから、これまでとは違う展開になりました。また、結構ボールも重かったので、スライスやブロックリターンを使い、とにかくストローク戦に持ち込むこと、そこからのワンチャンスを狙って戦いました。ゲーム勘は選手だった頃からあり、元々自分が持っている長所をベテランでも生かせている」という寺地。試合の潮目を冷静に読む才能が輝きを見せている。
勝利すれば決勝進出が決まるS1対決で、本村剛一(50歳/元世界134位)はカーステン・グローガーと対戦し、7-5, 7-5で勝利した。「昨日フランスに勝って、ドイツには勝てるだろうという変な余裕が出てしまい、スキを見せてしまって、少しこじらせてしまったかな」と笑う。
第1セット、第2ゲームで相手のサービスをブレークし、3-0とリードするが、第4ゲームでブレークバックを許し、一進一退の戦況となる。相手のグローガーも決勝進出がかかるこの戦いに全身全霊をぶつけてきた。
それでも大事なところではギアを上げ、フラット系のストロークに持ち味のスピン、そしてスライスと組み合わせ、相手のミスを引き出した。
6-5の相手のサービスをブレークして7-5で先取。第2セットは、第5ゲームでブレークを許し、追いかける展開となったが、4-5の第10ゲームでブレークを果たし、3ゲームを連取して日本の決勝進出を決めた。
色々な感情とともに4試合を戦ってきた。「出場するにあたって、優勝しか考えていませんでした。そのために一戦一戦戦ってきたつもりです。明日こそ楽しみたいですが、僕の性格的にはまたガチガチになるんでしょうね」と再び笑う。「インドアだとボールが見づらいですね」とO45らしさを滲ませながら、自分に約束した世界一を目指す。
準々決勝、準決勝とシングルス2本でチームを導いてきた、S1の本村と、S2の寺地。日本を背負った経験と、かつての輝きを見せながら、体の限界まで戦っている。
寺地が今回の出場を決めたのは、「2人の娘に戦っている姿を見せたい」という思いからだった。「現役を引退した頃は、まだ小さかったので、自分が戦っている姿は見たことがない。中3、高3と2人とも受験を控えているのですが、勝利を目指して戦う自分を見て、何かを感じてもらえたら」とコートサイドに呼んだ。
本村は「これまで日本リーグの試合は見たことがありますが、今、22歳の娘に自分が頑張る姿を見せたかった」という。
苦しい試合を乗り越え、勝利を手にする姿は、きっと愛娘たちの心に響くものがあるだろう。
■福田勝志コメント
「シングルス2本で決めてくれているので、本当にありがたい。自分もいい試合を間近で見られて刺激も感動もいただいている。理想はシングルス2本で世界一を決めて欲しい。より多くの人に来ていただけると励みにもなりますので、ぜひ足を運んでください」
■有本尚紀コメント
「本当にこれ以上ない舞台で決勝へ行けたので、すごく嬉しい。最高の終わり方は優勝です。強豪のスペイン代表なのでどうなるかわかりませんが、みんなで最高のコンディションで挑めるようにしたいです。世界では毎年この世界選手権が行われているのですが、アジアで初めて、しかも日本で開催する大会で日本チームが初めて決勝に進出しています。多くの方に応援していただければと思います」チームキャプテン・有本尚紀
なお、女子の日本代表チームはアメリカと対戦し、0-2で敗退した。
明日、男子チームはスペインとショーコートにて決勝を、女子チームはイギリスとコート16にて3、4位決定戦を戦う。いずれも試合開始は10時より。
(※個人戦は23日〜30日)
□日本男子準決勝結果□
日本vs ドイツ(11/21有明テニスの森インドアコート)
MS2 ○寺地貴弘 6-3 6-4 ⚫︎マティアス・ハーン
MS1 ○本村剛一 7-5 7-5 ⚫︎カーステン・グローガー
MD 有本尚紀/福田勝志 勝敗が決まったため行われず バスティアン・ボーレン/マティアス・ハーン
□日本女子準決勝結果□
日本vs アメリカ(11/21有明テニスの森インドアコート)
MS2 ⚫︎江馬愛子 4-6 0-6 ○ヒロミ・ササノ
MS1 ⚫︎橋本明香 2-6 1-6 ○ジェリー・トゥ
MD 江馬愛子/橋本明香 勝敗が決まったため行われず フランチェスカ LA O/ヒロミ・ササノ
写真:SPORTS SUNRISE.COM