3月24日(月)〜29日(土)にポルトガル・テルセイラ島にて開催された14歳以下、欧州テニスツアーの『14歳以下 アゾレス・ローン・テニスクラブ・トーナメント』にて、日本人の湯藤慶寿(けいじゅ)が、シングルス、ダブルスの2冠を果たした。

湯藤は2011年7月30日生まれの13歳。シングルス決勝ではポルトガルのランキング1位、欧州ランキング16位のFrancisco サルジーニャ選手と対戦。2-6、2-4の窮地から逆転をし、2-6 6-4 6-2で優勝した。

また、ドイツのルイス・ゴルツと組んだダブルスでは、決勝の第1セット、3-4相手サーブのディサイディングポイントでゴルツがスーパーショットを放ち、そのまま波に乗り6-4 6-3のストレートで勝利を収めた。

ルイス・ゴルツと組んだダブルスも制覇

この優勝について湯藤は「このようなカテゴリーの高い大会で、シングルス、ダブルスで優勝できて、とてもうれしいです。特にシングルスでは、先月ストックホルムで行われたグランドスラム大会でもダブルスで優勝したフランシスコくんに勝てて本当にうれしいです。2-6、2-4の僕のサーブ30-40という絶体絶命の状況から逆転できたのは自信になりました。ここ2年半続けているメンタルトレーニングで学んだことを生かし、負けを恐れず、無我夢中で攻め続けたのが良かったのだと思います。ダブルスでは一緒に組んだルイスくんにたくさん助けられました。今回初めてダブルスを組むことになりましたが、1週間ずっと一緒に時間を過ごし、ダブルスパートナー以上の親友になれたのが良かったと思います。今回は開会式で日本の国旗を持って行進し、いつも以上に日本人を代表する意識で戦いました。いつもメンターとして支えて下さっている、松井俊英プロと松井プロのオンラインサロンの方々、その他、いつもお世話になっている方々に良い報告ができて良かったです」と喜びを語った。

現在の目標は「昨年の川口孝大選手に続き、14歳以下ウインブルドンジュニアに出場して優勝すること」という湯藤。将来はプロになり、日本人として初めて単複で世界一の選手になること。兄とのペアでグランドスラムのダブルスで優勝すること、デビスカップで日本が世界一になることに貢献することと、たくさんの夢を抱えている。

現在はウインブルドンの近くに住居を構え、Ewell Castle Tennis Academyにて元ATPランカーのトーマス・バーン氏によるレッスンを、3つ上の兄、泰寿とともに受けている。大きな夢とともに、プロを目指すジュニア、湯藤きょうだいの今後に期待だ。

彼らの活動は、SNS @YutoTennisBrothers にて発信中。

構成/保坂明美 写真/家族提供