男子の国別対抗戦「デビスカップ 日本対ドイツ ファイナル予選2回戦」が、9月12日・13日に東京の有明コロシアムで開催されている。1日目となる9月12日には、シングルス2試合が行なわれた。

出場を予定していた錦織圭は、背中の状態が芳しくないため辞退となり、代わって19歳の坂本怜が日本代表に加わった。対するドイツもシングルス1予定だったダニエル・アルトマイヤーの代わりに、17歳のジャスティン・エンゲルが選出されている。

勝利には結びつかなかったが良いプレーをした西岡良仁 写真/伊藤功巳

1試合目は、ケガでランキングを落としている西岡がシングルス2で登場し、ドイツのヤンレナルト・シュトルフと対戦。4-6、7-6(4)、4-6のフルセットの末に敗れた。

対戦成績は2勝1敗で西岡がリードしているが、現在のランキングは98位のシュトルフに対し、西岡は153位。シュトルフは全米オープンに予選から出場し4回戦まで進出するなど調子を上げていた。

重要なポイントで良いプレーが出ていたシュトルフ 写真/伊藤功巳

シュトルフはサービスが好調で、ストロークでも攻撃的に打ってきた。西岡はラリーに持ち込むと相手を動かしてエースを取り、走らされてもしっかりと返球していく。先にチャンスをつかんだのは西岡で、9ゲーム目でブレークポイントを3本握る。しかし、シュトルフにサービスを軸にしのがれて4-5にされると、攻撃姿勢を強めた相手にブレークされ、4-6でセットを落とす。

第2セットでも先にブレークチャンスをつかんだのは西岡だったがそれを生かせない。しかし、キープが続いて迎えたタイブレークでは、シュトルフのミスにも助けられてタイに戻した。ファイナルセットは、第1セットと似た展開となり、チャンスはあったが取り切れずに敗北が決まった。

「素晴らしいプレーができた」と西岡は試合後に振り勝った。「1セット、2セット、3セットも、僕がチャンスを先につかみ、取れる瞬間はあったかと思う」。しかし、実際は10回のブレークポイントを取れず、相手は少ないチャンスをものにした。

「やること全てやってチャンスを作り、あと1点取るところまでは作れた。その1点が取れなかった。僕としては何ができたのか正直わからない」と、あと1ポイントが遠かった。

「ケガをしてこの半年間で勝ちが1回しかない。最近自分に流れがこない瞬間が多いと思う」と、全米で勝ち進み調子を上げていたシュトルフとの勢いの差が出た形となった。

初めてエースとしてデ杯に出場するも思うようにプレーさせてもらえなかった望月慎太郎 写真/伊藤功巳

第2試合は初めて日本のエースとして登場する22歳で104位の望月慎太郎が、33歳で135位のヤニック・ハンフマンと対戦し、3-6、3-6のストレートで敗れた。

対戦成績は1勝1敗だが、2度の試合経験はハンフマンにプラス要素をもたらした。「トリッキーなプレーだとわかっていた。統計や情報を揃えて準備し、過去の経験と合わせてプレーした」と、望月対策は万全だった。

望月対策に加えてサービスも好調だったハンフマン 写真/伊藤功巳

ハンフマンのショットは深くに鋭く突き刺さり、望月はなかなかネットに出られない。どうにか出ても、パスを抜かれたり苦しい体勢でのボレーとなってしまう。

「思ったよりも早く(ボールが)返ってきたと思う。僕の低いボールにも対応してきた」と、心地よくプレーできないまま、望月はストレートで敗北を喫した。

「相手はこういう場面でレベルの高いプレーをしてきた。僕がついていけず突き放されてしまった。力不足を感じた試合でした」

望月慎太郎と添田豪監督の試合後の会見 写真/伊藤功巳

1日目で0-2という苦しい状況に追い込まれた日本。添田豪監督は、「ダブルスを勝てば違う状況になってくると思うので、まずはダブルスにチーム全体が勝つんだという気持ちにしていきたい。そうなるような雰囲気作りをしていきたい」と語った。

明日1試合目のダブルスには、綿貫陽介(複897位)/柚木武(複114位)が出場予定。ドイツのケビン・クラビーツ(複12位)/ティム・プッツ(複13位)は強敵だ。1試合目から厳しい戦いが予想される。

■12日の結果(1日目)
第1試合 ●西岡良仁(世界ランク単153位)4-6 7-6(4) 4-6 〇ヤンレナト・シュトルフ(単98位)
第2試合 ●望月慎太郎(単104位)3-6 3-6 〇ヤニック・ハンフマン(単135位)

■13日の試合予定(2日目)

第3試合 綿貫陽介/柚木武(複897位/複114位)vsケビン・クラビーツ/ティム・プッツ(複12位/複13位)
第4試合 望月慎太郎vsヤンレナト・シュトルフ
第5試合 西岡良仁vsヤニック・ハンフマン
※2日目のメンバーは、試合前での変更も可能。試合数、試合形式を変更する場合もある

取材・文/赤松恵珠子 写真/伊藤功巳