
男子の国別対抗戦「デビスカップ 日本対ドイツ」ファイナル予選2回戦が、9月12日・13日に東京の有明コロシアムで開催された。1日目は西岡良仁と望月慎太郎が敗れて0勝2敗。日本は1試合も落とせない状況で2日目を迎えた。
第1試合のダブルスで綿貫陽介(複897位)/柚木武(複114位)が、ドイツのケビン・クラビーツ(複12位)/ティム・プッツ(複13位)に挑んだが、3-6、6-7(4)で敗れて日本の敗退が決定。日本は11月に行われるファイナル8には出場できず、来年はファイナル予選1回戦を戦う。

第1試合のダブルスはランキングを見るだけでも相手国の優位は明らかで、試合が始まるとドイツペアのダブルスならではのうまさが光った。コースを的確に突いてくるサービスやストロークに、角度の付いたボレーで確実にポイントを奪っていく。
日本ペアは2人ともサービスを武器にしているが、リターンゲームを取れるように役割を決めて臨んだ。2人ともがリターンを思い切り叩いていくとリズムが作れないため、柚木がエースを狙わずロブなどを使って成功率を上げ、綿貫が勝負所で速いリターンを打っていくことになった。
実際、綿貫のリターンではポイントが取れており、相手ペアも「左利きの選手はチップロブがうまく、綿貫はフォアが優れており、自分たちのサービスゲームはトリッキーな状態だった」と言うように、違和感を与えることはできていた。ただ、脅威を与えるまでには至っておらず、今後、この戦い方を武器にするには精度を高めていくことが必要だ。

第1セットでブレークできたゲームはあったが、柚木のサービスゲームが安定せず、2つ落として3-6で失う。第2セットでは6-5の相手のサービスゲームで0-40にしてセットポイントを握ったが、5本連続で良いファーストサービスを入れられてブレークできず。タイブレークでは流れが一気に相手に傾き、マッチポイントを4本しのいだもののセットは取れなかった。この結果、0勝3敗で日本の敗退が決定した。
試合後に柚木は「サービスキープ率が悪くて勝負を劣勢にした。不甲斐ないものになった」と肩を落とし、綿貫は「キーポイントで良いプレーができなかったのが残念。実力差を感じました。相手の方が勝負強かった」と悔しがった。
添田監督は、「(相手は)タイブレークだったり大事なところでは、絶対にファーストサービスを入れてきたり、リターンをミスしてくれない。競ってはいるけれど、その正確性、技術面においては足りない部分が多かった」と、力の差を認めざるを得なかった。
これは前日のシングルスの試合にも当てはまることで、添田監督は「ファイナルに行くには僕らの実力を伸ばしていかないと難しいと感じました」と振り返った。選手は重要な局面で良いプレーを出せる強さを、監督は苦しい状況を変えられる声掛けのアイデアを磨いていくことになるだろう。

勝敗はダブルスで決まったが、その後に第4試合を実施。両国ともメンバーチェンジを行い、日本の19歳坂本怜とドイツの17歳ジャスティン・エンゲルの10代対決となった。
2人共にこれがデ杯デビュー戦。負けが決定した後で、ホームでの試合であり、年齢も自分の方が上という点からも、坂本の方がプレッシャーを感じる要素は多かっただろう。
第1セットを3-6で落としたが、第2セットは「少しずつ自分が主導権を握るポイント」が出てきてタイブレークを制した。10ポイントタイブレークでは、一気にリードを広げられ、追い上げたものの勝利はつかめなかった。
日本は全敗という厳しい結果を突き付けられることになったが、手に入れた課題や手ごたえを、今後に生かしてくれることを願う。

■12日の結果(1日目)
第1試合 ●西岡良仁(世界ランク単153位)4-6 7-6(4) 4-6 〇ヤンレナト・シュトルフ(単98位)
第2試合 ●望月慎太郎(単104位)3-6 3-6 〇ヤニック・ハンフマン(単135位)
■13日の結果(2日目)
第3試合 ●綿貫陽介/柚木武(複897位/複114位)3-6 6-7(4) 〇ケビン・クラビーツ/ティム・プッツ(複12位/複13位)
第4試合 ●坂本怜(単189位)3-6 7-6(2) 7-10 〇ジャスティン・エンゲル(単219位)
第5試合 なし
取材・文/赤松恵珠子 写真/鯉沼宣之


