11日、男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズであるマドリッド・マスターズはシングルス決勝が行われ、第10シードの錦織圭(24歳)は第1シードのラファエル・ナダル(27歳、スペイン)との対戦に臨んだが、6-2、4-6、0-3となったところで腰の負傷のため棄権を余儀なくされ、準優勝に終わった。
自身初のマスターズ決勝に臨んだ錦織は、クレーコートで絶対的な強さを誇るナダルから第3ゲームと第5ゲームでブレークを奪い、第1セットを先取する。今大会後に発表される世界ランキングで自身初のトップ10入りを決めている錦織は、7度目の対戦にしてナダルから初めてセットを奪った。
第2セットに入っても錦織の勢いは止まらず、第1ゲームでナダルのサービスゲームをブレーク。一時はゲームカウント4-2とリードをしたものの、第7ゲーム後にメディカル・タイムアウトを取ったところから試合の流れが変わる。
連戦の疲労からか腰のあたりに不安を抱えていた錦織。続く第8ゲームでは、逆を突かれたショットに対し、ぎこちない動きでナダルのウィナーを見送る場面があるなど、プレーから精彩を失っていくと、ナダルに逆転を許しセットオールと追いつかれる。
第3セットに入ると一気にナダルが3-0とリード。ここまで何とかプレーを続けていた錦織だったが、これ以上の試合続行は不可能と判断し、主審に棄権を申し入れてゲームセットとなった。
3月のマイアミ・マスターズで負った左足付け根の怪我から復帰し、クレーシーズンに突入してからはバルセロナ・オープンでは今季2勝目となるタイトルを獲得、この試合までに14連勝としていた錦織だったが、その連勝もついにストップとなった。
今大会で通算27個目となるマスターズでのタイトルを獲得したナダルは「錦織のことは、気の毒に思います。彼は(トップ8だけが出場できる)ツアー最終戦にエントリーできる選手。それは間違いありあんせん。彼の怪我が軽いこと、全仏でプレーできることを願っています」と、錦織を気遣った。
一方、最後は残念な終わり方となった錦織だったが「準決勝でダビド・フェレールにフルセットで勝ち、この決勝でも良いプレーが出来たので、今大会から得た自信は大きいです」と、クレーコートでの戦いに自信を深めた。
「全仏オープンがとても楽しみです。クレーでこんな感覚はいままでありませんでした。ウィナーを決める自信がついています。バックハンドでもフォアハンドでも、どちらからでも決められます。クレーコートで今持っている感覚は、とても良いものです」