グランドスラム大会に次ぐマスターズ大会、カナダ・モントリオールで開催されたロジャーズ・カップ。シングルス準決勝で世界ランク4位の錦織圭(25歳、日清食品)は同ランク3位のアンディ・マリー(28歳、英国)と対戦し3-6、0-6のストレートで敗退した。下半身の痛みにより、17日開幕のマスターズ大会、シンシナティを欠場し、31日よりニューヨークで開催される今季最後のグランドスラム、昨年準優勝の活躍を遂げた大会、全米オープンに挑む。
ロジャーズ・カップでベスト8、錦織圭が優勝したワシントンD.C.大会では準優勝を果たした世界ランク12位、ジョン・イスナー(30歳、米国)はノースカロライナ州グリーンズボロ出身。2004年から2007年までジョージア大学の学生として活動し、2007年のNCAA(全米大学)テニス選手権でシングルス準優勝、ダブルス優勝した後にプロテニスプレーヤーとなった。
錦織圭も中学2年生の時に、米国のIMG・ニック・ボロテリーテニスアカデミーにテニス留学したことにより、世界を驚かせる大きな成長を成し遂げた。世界のツアーで活躍している奈良くるみ、土居美咲と共にジュニア時代にトップレベルで戦い、インターハイ優勝と輝かしい成績を収めた小和瀬麻帆。
米国のジョージア大学へテニス選手として留学、在学中にはチームで全米1位にランクされ、サウスイースタンカンファレンス優勝、全米選手権(NCAA)ではダブルス準優勝と活躍した小和瀬麻帆のインタビュー。
「米国では、大学スポーツがとても人気なので、一つのビジネスとして成り立っています。そのため、選手たちは返済不要の奨学金がもらえます。特にアメリカンフットボールは全米中で人気があり、毎回9万人以上入るスタジアムが完売という学校もあります。そういったゲームはテレビ中継され、大企業がスポンサーにつき、社会に大きな影響を与えます。」
「そんな人気のある大学スポーツですが、アスリート達も大学生なので、一般の学生と一緒に授業を受けながら「文武両道」に努めています。彼らは「Student-Athlete」と呼ばれ、社会から大変認められています。奨学金をもらいながらスポーツをしている選手たちは、プロに一番近い、高いレベルで母校を背負って戦っている。」
「全米では1、2、3部リーグ(デビジョン1、2、3) の全てを合わせると4000校近くあるので、トップの学校でなくても奨学金をもらい、テニスを続けることが可能です。また、スポーツを使って入学することで、アイビー・リーグなどの難関校に入れたり、自分より上のレベルの選手達とチームメイトになれたり、目的により様々な選択肢があります。」
「プロ、日本の大学にスポーツ推薦で入学、勉強に集中する為にテニスは卒業などあると思います。その選択肢の中に、全米の大学に奨学金をもらって留学というのを加えてもらえたらと思っています。このスカラーシップシステム(奨学金制度)は、一人一人の目的に合わせて大学の選択ができる素晴らしいシステムでこの制度を利用してもらいたいと願っています」とコメントしている。
記事:長嶋秀和
協力:馬場猛 I-Consports Japan代表