<2017全仏オープンテニス>(通称:ローランギャロス)
6月5日(月)
錦織圭(日清食品)の4回戦が行われ、錦織はスペインのベテラン33歳のベルダスコを0-6,6-4,6-4,6-0で破り8強になった。
準々決勝では第1シードのアンディ・マレー(英国)と6月7日(水)に対戦する。

ファーストセットを0-6で落とした時は誰もが今日の錦織は勝てないだろうと思ったことだろう。

錦織そしてコーチのチャンを除いては。
あるいはチャンでさえ、本当はそう思ったのではないだろうか?数年たったら、いつか本音を聞いてみたいものだ。

3回戦の鄭現(チョン ヒヨン)戦では「100パーセント」負けたと覚悟したと錦織は言うが、
今日のベルダスコのできを見たら、今日こそ「100パーセント負けた」と思ってもおかしくない。

WOWOWの解説をしていた松岡修造応援団長?は、試合が始まる前は昨日の大挽回勝ちでの錦織に勢いを感じ、イケル、イケル・ムードだったが、
第1セットを0-6で落とし、「今日のプレーは大ショック、この試合を解説するのは難しい」と歯がゆがった。

覇気もなく、観客からブーイングが出る始末だ。
体のどこかが痛くて棄権するのでは?とさえ思える。

朝刊の締め切り時間が迫っている新聞記者たちはプレスルームに戻り、「錦織圭グランドスラム大会7度目の8強はならず!」などの見出しや記事など考え始めていただろう。

錦織圭は1ポイント、1ポイントと

「第1セット落としてから、1ポイントずつ戦うことを意識していった。」と錦織は切り替えたが、
松岡修造は第2セット最初のゲームをブレークするものの、続くサービスゲームを落とした時は
「突破口が見えない!」とさえ言い切ってしまうほど、挽回の余地は見えない試合だった。

「それまでは、長いラリーを避けようとして焦ってミスしたり、
単調になり過ぎて彼のフォアを打たしてしまったりしたので、
高いボールを打たせて、ラリーで我慢するようにした。」

「第2セット、先にブレークしたから良かった。
先に取られていたら、ズルズルいっていたかもしれない。
ちょっとの差だった。」と錦織。

錦織の第6ゲーム、5回のデュースがあった。
錦織のバック・ダウン・ザ・ライン・ボレーのウィナーで3-3とキープする。
1つブレークポイントがあったが。これを逃れたのが大きい。
完璧ではなくても取れればいい。

そうしていくと、あの絶好調のベルダスコのショットも決まらなくなる。

第2セットを6-4で取り返す。
よくあの状況からこのセットを取るまでに来た!
目の肥えたローランギャロスの観客は錦織圭のテニスそして凄さに魅了されていく。

「段々と自信がつきだし、前に入っていけるようになった。
攻略法が見つかった。」と錦織は言う。

バトルは第3セット3-3 意地のぶつかり合い!

ベルダスコは1回戦でダークホース的優勝候補のA.ヅベレフ(20歳ドイツ)を6-4,3-6,6-4,6-2、
3回戦ではクレー強者のP.クエバス(ウルグアイ)を6-2,6-1,6-3で破るなど、調子が良い。
最高ランキングは7位(2009年)。
グランドスラム大会では2003年のウィンブルドン本戦に初出場してからこれが連続56回目のグランドスラム大会本戦出場。
最高成績は2009年の全豪オープン4強、その時は優勝したナダルに5時間14分の激戦の末に敗れている。
これが14回目の全仏オープンだが、今日を含め6回、4回戦まで勝ち進むが、一度も準々決勝に進出していない。
昨年は3回戦で錦織とフルセット、63 64 36 26 64で敗れている。
絶好調の今年はどうしても勝ちたい試合だ。

両者のバトルの圧巻は第3セット、3-3の時だった。
先にブレークし3-1としたが、錦織は第6ゲームをあっさりとブレーク・バックされ3-3となった。

ベルダスコのサーブで6回目のデュース、
ここでベルダスコのグランドスマッシュを錦織はバックのクロス・パス・ウィナーで決める。

出た~!スーパーショット!
大盛り上がり!
凡戦が一転して素晴らしい盛り上がった試合になった瞬間だ。

次のポイント、今度はベルダスコのバッククロスからフォアのアングルウィナーもどよめく。

6回のデュースの末、5つ目のブレークポイント。
ベルダスコのバックミス。
よく我慢して錦織が取った!

錦織の技術の高さがわかる。
このゲームだけで10分以上かかった。
バトル、闘う者の姿の美しさだ。

6-4で錦織はこのセットも奪う。

あの第1セットの状況からこの後の2セットを想像できただろうか?

それを強く思っていたのはベルダスコだっただろう。
ここまでいいプレーしてきて、なぜ負けてしまったのだ?という思いだっただろう。

一番調子の良いプレーヤーが錦織のテニスを引き出したのだろうか?

よく勝った。本当に!
すごい!本当に!
何度本当にと言ってもいい足りない死闘だった。

松岡修造ブログ トンネル抜け出し 圭ベスト8!

<<準々決勝>>
1]A.MURRAY(GBR) vs 8]錦織圭
3]S.WAWRINKA(SWI) vs 7]M.CILIC(CRO)
4]R.NADAL(ESP) vs 20]CARRENO BUSTA(ESP)
2]N.DJOKOVIC(SRB) vs 6]D.THIEM(AUT)

オーダー・オブ・プレー

フレンチ・オープンの賞金総額は35,981,500ユーロ(約45億円)。
優勝は2,100,000ユーロ、約3億円!
大会オフィシャルHP:ローランギャロス2017
賞金総額:€35,981,500, (45億円)
優勝賞金:€2,100,000(2億7千万円)
準優勝: €1,060,000(1億4千万円)
ベスト4: €530,000(7千万円)
ベスト8: €340,000(4千300万円)
4回戦: €200,000(2千500万円)
3回戦: €118,000(1千500万円)
2回戦: €70,000(900万円)
1回戦: €35,000(450万円)
本戦128ドロー、赤土クレー
会場:Rolandgarro s
期間:5/28-6/11,2017
パリ現地時刻(時差-7時間)

<<全4回戦>>
〇1]A.MURRAY(GBR) 63 64 64 ●KHACHANOV(RUS)
〇8]錦織圭 06 64 64 60 ●F.VERDASCO(ESP)
〇3]S.WAWRINKA(SWI) 75 76(7) 62 ●15]G.MONFILS(FRA)
〇7]M.CILIC(CRO) 63 3-0ret. ●K.ANDERSON(RSA)

〇20]CARRENO BUSTA(ESP) 46 76(2) 67(6) 64 86 ●5]M.Raonic(CAN)
〇4]R.NADAL(ESP) 61 62 62 ●17]BAUTISTA AGUT(ESP)
〇6]D.THIEM(AUT) 61 63 61 ●H.ZEBALLOS(ARG)
〇2]N.DJOKOVIC(SRB) 76(5) 61 63 ●19]RAMOS-VINOLAS(ESP)

<<3回戦>>
〇8]錦織圭 75 64 67(4) 06 64 ●鄭現(チョン・ヒヨン,韓国)

<<2回戦>>
〇8]錦織圭 63 60 76(5) ●J.CHARDY(74位FRA)
〇20]CARRENO BUSTA(21位ESP) 75 64 46 60 ●Q]ダニエル太郎

<<1回戦>>
〇8]錦織圭 46 61 64 64 ●T.KOKKINAKIS(元69位AUS)
〇Q]ダニエル太郎 64 64 64 ●J.JANOWICZ(元14位POL)
25]S.JOHNSON(26位USA) 63 63 67(4) 67(3) 63 ●杉田祐一
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男子予選ドロー

TV東京は錦織圭の試合を放送予定
WOWOWは18時からフレンチ・オープンを連日生放送。

(記事塚越亘 KYOKO, Y.Morishita, T.Terashima photo/H.sato)