<2017全仏オープンテニス>(通称:ローランギャロス)
6月7日(水)

錦織圭(日清食品)が、世界1位のマレー(英国)に残念ながら6-2,1-6,6-7(0),1-6で逆転負けした。
勝てば日本男子としては1933年(昭和8年)の佐藤次郎以来、実に84年ぶりの全仏4強入りの快挙だった。
錦織は2015年以来、自己最高タイの準々決勝で敗退した。

世界の強者たちが頂点を目指し、5月28日128名で始まった2017フレンチ・オープン。

錦織は万全の状態では全仏に入れなかった。
1回戦は苦戦、3回戦では100%負けを覚悟するが、雨の恵により復活勝利した。
全然自分のプレーができずに0-6で第1セットを落とした4回戦ではほとんどの人が今度こそ負けたと思ったが、1ポイント1ポイント戦うことにより挽回勝利した。
そのようにしてたった8名の中に残った。

先がわからないのが勝負、わからないからこそドラマが生まれる。
その主人公に錦織圭はなれる、錦織圭のレベルの高いテニスを見てそう思った。

試合時間は2時間39分、19時すぎに終わった。
日本時間では朝の2時すぎ、朝刊の締め切りには間に合わないので、記者達は時間をかけ記事を書くことができるだろう。
各紙の記者はどんな論調で錦織圭の記事をまとめるのか?
日刊ゲンダイのかなり厳しい論調は想像できるかもしれない。

タイムバイオレーションの怒りで流れが変わった

第1セットは錦織が2度ブレークを生かし、6-2で先取。
逆に第2セットは1-6でマレーに取り返された。

第3セット、1-1、マレーが2度目のタイムバイオレーション(遅延行為)の警告を受ける。
その警告によりファースト・サーブがフォルト扱いになりセカンド・サーブになる。
(グランドスラム大会ではポイント間の制限時間は男子ツアーよりも5秒短い20秒)
太陽も目に入ったのか?風の影響か?試合の流れの中では気になるほどの遅延行為ではなかったが。
マレーは激怒した。

ここが付け入るチャンスと錦織は強打で返すがベースラインを割りアウト。
結局マレーがキープすると、怒り吠えた!

その怒りを原動力にマレーのプレーのレベルが上がり、逆襲が始まる。
マレーの守備範囲は広い、その上ピンチになっても一発逆転の強烈なカウンターを繰り出す。

怒りにより、頭脳的なプレーが出てきた。
「マレーのレベルが上がり、自分が耐えきれなくなり、焦りだし、無理をしてしまった」

錦織はサーブをブレークされ5-6となるが、ブレーク・バックでタイブレークに持ち込む。
簡単にキープさせないところは錦織の強さだったが、
「いっぱいいっぱい、ちょっとずつリズムが狂い、ダブルフォルトやもったいないミスが出てしまった」と。
錦織は先に攻撃をするが、タイブレークでは1ポイントも取れず、このセットを6-7で落とす。

慌てて勝負をかけずに「もう少し落ち着いてプレーできていれば、という悔いは残る」と錦織。

第4セットでも最初のゲームを錦織が幸先よくブレークしたが、マレーに6連続でゲームを奪われた。

ウィンブルドンに期待

「プレーヤーは過去を引きずってはいけない、目の前の1ポイント1ポイントに集中するのみだ。」
とチャンコーチは言う。
錦織も負けてしまったが、「いいプレーが戻ってきている。」と手応えを口にした。
7月3日から始まる次のグランドスラム大会、ウィンブルドンに期待したい。

<<準決勝>>
1]A.MURRAY(GBR) vs 3]S.WAWRINKA(SWI)
4]R.NADAL(ESP) vs 6]D.THIEM(AUT)

<<準々決勝>>
〇1]A.MURRAY(GBR) 26 61 76(0) 61 ●8]錦織圭
〇3]S.WAWRINKA(SWI) 63 63 61 ●7]M.CILIC(CRO)
〇4]R.NADAL(ESP) 62 2-0ret. ●20]CARRENO BUSTA(ESP)
〇6]D.THIEM(AUT) 76(5) 63 60 ●2]N.DJOKOVIC(SRB)

オーダー・オブ・プレー

フレンチ・オープンの賞金総額は35,981,500ユーロ(約45億円)。
優勝は2,100,000ユーロ、約3億円!
大会オフィシャルHP:ローランギャロス2017
賞金総額:€35,981,500, (45億円)
優勝賞金:€2,100,000(2億7千万円)
準優勝: €1,060,000(1億4千万円)
ベスト4: €530,000(7千万円)
ベスト8: €340,000(4千300万円)
4回戦: €200,000(2千500万円)
3回戦: €118,000(1千500万円)
2回戦: €70,000(900万円)
1回戦: €35,000(450万円)
本戦128ドロー、赤土クレー
会場:Rolandgarro s
期間:5/28-6/11,2017
パリ現地時刻(時差-7時間)

<<全4回戦>>
〇1]A.MURRAY(GBR) 63 64 64 ●KHACHANOV(RUS)
〇8]錦織圭 06 64 64 60 ●F.VERDASCO(ESP)
〇3]S.WAWRINKA(SWI) 75 76(7) 62 ●15]G.MONFILS(FRA)
〇7]M.CILIC(CRO) 63 3-0ret. ●K.ANDERSON(RSA)

〇20]CARRENO BUSTA(ESP) 46 76(2) 67(6) 64 86 ●5]M.Raonic(CAN)
〇4]R.NADAL(ESP) 61 62 62 ●17]BAUTISTA AGUT(ESP)
〇6]D.THIEM(AUT) 61 63 61 ●H.ZEBALLOS(ARG)
〇2]N.DJOKOVIC(SRB) 76(5) 61 63 ●19]RAMOS-VINOLAS(ESP)

<<3回戦>>
〇8]錦織圭 75 64 67(4) 06 64 ●鄭現(チョン・ヒヨン,韓国)

<<2回戦>>
〇8]錦織圭 63 60 76(5) ●J.CHARDY(74位FRA)
〇20]CARRENO BUSTA(21位ESP) 75 64 46 60 ●Q]ダニエル太郎

<<1回戦>>
〇8]錦織圭 46 61 64 64 ●T.KOKKINAKIS(元69位AUS)
〇Q]ダニエル太郎 64 64 64 ●J.JANOWICZ(元14位POL)
25]S.JOHNSON(26位USA) 63 63 67(4) 67(3) 63 ●杉田祐一
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男子予選ドロー

(記事塚越亘 KYOKO, Y.Morishita, T.Terashima photo/H.sato)

錦織のプレーはローランギャロスの観客を魅了した