ナダル16個目の四大タイトル　スティーブンス初 “男女共、感動的なフィナーレに”【全米オープン】

9月10日、USオープン最終日。
2017USオープン 男女シングルス優勝者が決まった。
今年の大会は、諦めなければいつか夢は実現する、人々に勇気を与えてくれるようなシーンが多かったUSオープンだった。

女子決勝 親友同士の戦いは 感動的なフィナーレ

〇スティーブンス 6-3 6-0 ●キーズ

同じアメリカ勢、友人同士という2人の対決は70年代から80年代に大活躍、18回のグランドスラム大会に優勝したクリス・エバートを彷彿させるスローン・スティーブンスの確実なプレーがマディソン・キーズの攻撃を上回った。

わずか1時間と54秒の女子決勝戦だったが、
「お互い親友だし、お互い色んなことを乗り越えてきた」と試合後のお互いを称える抱擁と表彰式での二人の友情は勝者と敗者を決める大舞台に似つかわしくなく、感激的なフィナーレだった。

「１月、左足手術をした時はまさか全米で優勝できるとは考えていなかった。
アメリカ人にとって、ここで勝つことは特別なこと。信じられない。」とスティーブンス。

一方のキーズは
「相手が素晴らしいプレーをした。私は頑張ったが、緊張もあり、思うように体が動かず、ベストのテニスができなかった。」

スティーブンスは、準決勝で第９シードのビーナス・ウィリアムズ（米）を破り、決勝に進んでいた。全米オープンの女子シングルスでノーシード選手の優勝は8年ぶりのこと。

スティーブンスは24歳、2013年、19歳で出場した全豪オープンで4強入り。
22歳のキーズは2015年、20歳の時、全豪オープンで4強入りている。

共に初のグランドスラム大会決勝進出、同じような苦難を乗り越えた二人の美しい戦いだった。

男子決勝ジュニア時代からのライバル

16回目の4大大会優勝を決めた31歳のナダル

〇ナダル 6-3 6-3 6-4 ●アンダーソン

マレー、ジョコビッチ、ワウリンカ、錦織圭、ラオニッチと5名がケガで欠場のUSオープン、
19歳、20歳代の若手の台頭が著しく世代交代の波が押し寄せている中で31歳のナダルが優勝した。

ラファエル・ナダル、ケビン・アンダーソン共に1986年生まれ、ナダルは6月3日、アンダーソンは5月18日だ。

ナダルは2005年19歳になりたてで全仏オープンに優勝している。
アンダーソンはその時イリノイ大学にテニス留学。二人は違う道のりを歩み決勝に登場した。

二人は12歳の頃から同じジュニア大会に出場、お互いを良く知る友人だ。
ナダルは「（アンダーソンは）ケガをして、挫折しかけても努力を重ね、復帰してきた。素晴らしい努力」。と同じように怪我で苦しんだ自分を顧みながら評価していた。

ナダルは、全仏オープンに続く今年2度目のグランドスラム、全米オープンでは4年ぶり3回目の優勝だ。
フェデラーが全豪、ウィンブルドンと優勝しているので、今年のグランドスラム大会は二人に独占された。

これでナダルの生涯のグランドスラム優勝は16回目となり、これはフェデラーの19回に続く2番目の記録となる。

来年は錦織圭も頑張って欲しい。待っているぞ錦織圭！

記事:塚越亘 塚越景子 森下泰 西谷明美 写真佐藤ひろし/TennisJapan

二人の決勝は勝負を超えた感動的なフィナーレだった