6月8日 全仏オープン 女子ダブルス(全仏賞金総額50憶円、全仏ダブルス優勝賞金7,200万円)
穂積絵莉/二宮真琴(ともに橋本総業)が、日本女子ペアとして4大大会初の決勝に進んだ。
日本女子がダブルスでグランドスラム大会の決勝に進んだのは過去12回。
しかし、12回すべてが外国人プレーヤーとのペアだった。
日本女子同士では2002年全仏オープンで杉山愛/藤原里華組、2017年全豪オープンで穂積/加藤未唯組の4強が最高成績だった。
スポーツ紙は“エリマコ”と呼び二人の快挙を報道している。
二人はノーシード、2回戦は第11シード、3回戦は第5シード、準々決勝は第1シード、準決勝は第8シードを破り決勝進出。
決勝では第6シードのB・クレチコバ/K・シニアコバ(ともに22歳、チェコ)組と戦う。
試合は6月10日(日)男子決勝ナダル対ティエム戦の前にセンターコートで12時(日本時間18時)より行われる。
オーダー・オブ・プレー
「ここまで来たら最後まで勝って勝者で終わりたい」と穂積が言えば、
二宮も「2人で取りに行って笑顔で終わりたい」と。
決勝進出を決めた後、プレーヤーズラウンジでの動画コメント
全仏オープン決勝進出を決めて
決勝は!
二宮真琴
「準決勝の作戦はこれまでとそんなに大きく変わらなくて。
ロブを使って相手の陣形を崩すのを最初から考えていた。
それを多く使えたので、相手も戸惑っていて、向こうの良いプレーを封じて私たちが攻めることができたと思う。」
穂積絵莉
「相手は二人ともネットにベタ詰めなので、そこに無理やり打ってもしっかりボレーされるので、
上手くロブを使いながら相手の陣形を崩し、相手の良さを封じた。」
「1回戦勝ったときから、ベスト4を超えたいと思っていたが、その時はまさか決勝に行けるとは思っていなかった。
でも一戦一戦勝つごとに、行けるかもという思いが強くなった。
今は、最後の一戦、二人でまたしっかりやるべきことができれば優勝のチャンスはあると思っている。
決勝進出という実感が湧かないが、その舞台に立てることはうれしい。
ここまで来たら、勝者として終わりたい。」
二宮真琴
「わたしも決勝の舞台に立てると思っていなかったが、
5試合やってきて自分たちの良いプレーが出せているので、これができれば優勝もありえるんだなと試合でも感じた。
決勝戦も思いきってやりたい。
勝って、笑顔で終わりたい。」
取材協力:綿貫裕介(二宮真琴)コーチ
エリマコ アラカルト
中学生のころ、ジュニアの合宿で初めて会った2人。
二人のコンビのコミュニケーションも初めは「私が100%で(二宮)は0」というぐらいだったと言う。
お互いに経験を踏んだ二人、今は二宮もはっきりと自分の気持ちと作戦を言う。
ロブの打ち方、わかりません
準決勝のマッチポイントでも見事に決めた二宮のトップスピンロブ
「ロブの練習は最近するようになった。
その日の感覚がある。相手によってタイミングとかがある。以前はそんなに練習していなかった。」と言う。
そんな二宮にクリニックでロブはどうやって打つのですか?と質問されると、二宮は“自分でもわかりません”と答える。
なぜうまく打てるのか自分でもわからない。打てて決まってしまう。
穂積の母、急遽パリに
「お母さんが土曜日の飛行機で飛んでくる。
もちろん私も嬉しいが、私がセンターコートでプレーしている姿を、ファミリーボックスから家族に見てもらえることがすごく嬉しい」
優勝賞金:€560,000、約7200万円
既に決勝進出を決めているので、準優勝、€280,000、約3600万円は確保している。
錦織圭が4回戦進出して稼いだ金額は€222,000、約3000万円なので、それを越えた。
オリンピック
優勝すれば二人のダブルス・ランキングは上がり、2020年東京オリンピックは錦織圭、大坂なおみだけでなく、穂積、二宮なども出場の可能性が出てくる。
愛ちゃんを越えたい
このフレンチ・オープンには予選から1週目まで杉山愛が穂積のコーチとしてついていた。
穂積は愛ちゃんを抜きたいと言う。
でも、(杉山さんは)優勝しているので。優勝は超えられないんですけど、追いつきたい。
愛ちゃんからは毎試合後連絡がくる。
二宮真琴/穂積絵莉 プロフィール
1994年2月17日生まれ、神奈川県平塚市出身。24歳。
168cm、60kg
6歳からテニスを始める。
8歳、パームインターナショナルアカデミー(茅ヶ崎市、杉山愛の母、芙沙子校長)で本格的にテニスを始める。
2016年Katowiceツアー初優勝。パートナーは加藤未唯。
2017年全豪オープンベスト4。パートナーは加藤未唯。
ランキング複65位(最高29位) 単172位(最高144位)
穂積絵莉WTAデーター
穂積絵莉ITFデーター
二宮真琴 橋本総業所属
1994年5月28日生まれ、広島市出身。24歳。
157cm 53kg
6歳からテニスを始める。
2011年大阪市長杯ワールドスーパージュニア・シングルス準優勝
2016年ジャパン女子オープン優勝。パートナーは青山修子。
2017年ウィンブルドン4強。パートナーはボラコバ(チェコ)。
熱心な広島カープ女子。
ランキング複41位(最高35位) シングルス530位(最高280位)
二宮真琴WTAデーター
二宮真琴ITFデーター
全仏ダブルス
優勝賞金:€560,000(7200万円)
準優勝:€280,000(3600万円)
ベスト4:€139,000(1800万円)
ベスト8:€76,000(1千万円)
3回戦:€41,000(540万円)
2回戦:€22,000(300万円)
1回戦:€11,000(150万円)
女子ダブルスドロー
ミックスダブルスドロー
記事:塚越亘/塚越景子/T.Terashima/取材協力:内田暁 photo/H.sato/Tennis Japan