★ATP男子テニスツアー(ATP500)
■Rakuten Japan Open Tennis Championships 2010, Tokyo, Japan (Hard/Outdoors)
rafael_nadal20101009.jpg10月9日、東京都有明テニスの森で開催されている男子世界ツアーATP500楽天ジャパンオープン・テニス・チャンピオンシップス(賞金総額$1,100,000、ハード)の男子シングルス準決勝が行われ、第1シードのラファエル・ナダル(24歳、スペイン)が、ビクトル・トロイツキ(24歳、セルビア)を、7-6(4) 4-6 7-6(7)の大接戦の末に下し決勝進出を決めた。
先に行われた、もう1つの準決勝は、第5シードのガール・モンフィス(24歳、フランス)が、ラデク・ステパネク(31歳、チェコ)を6-3 6-3 のストレートで下した。


viktor_troicki20101009.jpgこの日のナダルは苦しんだ。トロイツキは、ナダルに対し26個のサービスエースを叩き込み、なかなかブレークチャンスを与えなかった。そして試合の終盤では、勝利の女神が、両者の間を行き来した。
第1セット、両者譲らずサービスキープを続けタイブレークに突入、ナダルが勝負強さを見せ7-4でタイブレークをものにする。
第2セットは、立ち上がり第1ゲームのナダルのサービスを先にトロイツキがブレークに成功すると、両者そのままキープを続け、トロイツキが6-4でセットを奪った。ナダルはこのセット、一度もブレークチャンスすら奪えずに今大会、初めてセットを失った。ナダルはトロイツキの強烈なサーブに我慢のテニスが続いた。
勝負の懸かった第3セットも両者サービスキープが続いた。ナダル4-3で迎えた第8ゲーム、この日初めてトロイツキのサーブをブレークに成功したナダルが5-3とリードした。続くゲームでナダルは、サービス・フォー・ザ・マッチを迎えた。勝負あったかに見えた。しかし、「いつもより、サーブの調子が悪かった」と試合後に語ったナダルは、続く第9ゲームにブレークバックを許してしまう。ここで流れはトロイツキに移った。5-5で迎えたナダルのサーブをトロイツキが再びブレークに成功すると、逆にトロイツキが6-5でサービス・フォー・ザ・マッチとなった。最初のポイントはサービスエースで15-0。場内には「ラファ!」と声援が飛ぶ。勝ちを意識したか、ここからトロイツキはこれまでのプレーが出来なくなってしまう。ダブルフォルト2つと、何でもないボレーをミスし、ナダルにブレークを許してしまう。勝負は第1セットに続きタイブレークに突入した。
タイブレークでも、先にナダルがミニブレークを奪い、トロイツキが奪い返す展開になった。ここでも、トロイツキが7-6のサーブで2つ目のマッチポイントを迎えた。しかし、最後は、王者の貫禄か、大一番での経験の差か、ここからミニブレークを2つ奪い3ポイントを連取しナダルが9-7で劇的な勝利を挙げた。場内は割れんばかりの大歓声に包まれた。試合時間は2時間38分だった。
gael_monfils20101009.jpg一方、サーブ&ボレーのステパネクと、抜群のコートカバー力を誇るモンフィスとの一戦はモンフィスの完勝だった。モンフィスが「パッシングがよく決まった」と言うように、ネットに果敢に出るステパネクから3つのブレークを奪い、逆に自身のサービスゲームではエースが5つながら、一度もブレークを許すことなく試合時間1時間9分で試合を決めた。今シーズンは一度、ステパネクが勝利していただけに、モンフィスがリベンジを果たした形となった。試合後、モンフィスは「初めて東京で決勝に進むことができてうれしい。明日はどちらが勝ち上がってきてもタフな試合になると思う」と試合後のインタビューで語った。
明日10日は、いよいよ決勝戦。第1シードのナダルと、第5シードのモンフィスの対戦となった。両者のこれまでの対戦成績は、ナダルの6勝1敗。直近はナダルの3連勝となっている。ナダルの強打を、モンフィスがどこまで拾い、逆襲に繋げることができるか。注目が集まる。
◆ナダル、試合後のインタビュー
質問:マッチポイントを2本奪われて、カムバック。自分を疑ったことなないか?
今日のような試合で自分を疑わないことは難しい。第1セットはよい試合であったが、第2セットは集中力が切れていた。第3セットで5-3から5-6になったところでは何が起きたか分からない。確かにミスが多かった。1年中大切な大会が続きシーズンは長い。この時期はメンタル的な意味で簡単に集中力をなくすことがある。特にプレッシャーのかかった場面では。とにかく、勝利できたのはラッキーだったね。
質問:マッチポイントで考えたことは?
マッチポイントの2ポイントの1つは、自分のサーブだったから、いいサーブを打つことを考えた。サーブの後、フォアハンドでいいプレーができてよかった。(フォア逆ショートクロスのエース)
リターンの時は、彼はいいサービスを打ち、いいフォアを持っている選手だけど、ポイントが取れたのは、本当に幸運だったね。(ナダルがフォアのスライスブロックリターンから、トロイツキがフォアーハンドネットミス)
※サービスが速くよくなった理由。
今日は18本のエースが取れたと思うけど、特別にやっていることはないよ。強いていえば、USオープンの時に若干グリップを変更したことだね。
※写真、上:ナダル、中:トロイツキ、下:モンフィス。クリックで拡大。
◆10日(日)シングルス試合予定
ラファエル・ナダル(24歳、スペイン)[1] vs ガール・モンフィス(24歳、フランス)[5]
 >センターコート第2試合(午後1時以降の開始)
ライブスコア⇒こちら(大会公式サイト)

ATP500 : $1,100,000 Rakuten Japan Open Tennis Championships 2010

シングルス
決勝

ラファエル・ナダル(スペイン)[1] vs ガール・モンフィス(フランス)[5]

準決勝

ラファエル・ナダル(スペイン)[1] 7-6(4) 4-6 7-6(7) ●ビクトル・トロイツキ(セルビア)
ガール・モンフィス(フランス)[5] 6-3 6-3 ●ラデク・ステパネク(チェコ)

準々決勝

【トップハーフ】
ラファエル・ナダル(スペイン)[1] 6-4 6-1 ●ドミトリー・トゥルスノフ(ロシア)
ビクトル・トロイツキ(セルビア) 6-2 3-6 6-4 ●ギリェルモ・ガルシアロペス(スペイン)
【ボトムハーフ】
ラデク・ステパネク(チェコ) 棄権 ●ヤルコ・ニエミネン(フィンランド)
ガール・モンフィス(フランス)[5] 7-6(5) 4-6 7-6(6) ●アンディ・ロディック(米国)[2]

2回戦

【トップハーフ】
ラファエル・ナダル(スペイン)[1] 6-4 6-4 ●ミロス・ラオニック(カナダ)(Q)
ドミトリー・トゥルスノフ(ロシア) 7-6(2) 1-6 6-4 ●リシャール・ガスケ(フランス)