★ITF女子テニス10万ドル大会
■楽天ジャパンオープン(ハード)
10月10日、東京都有明テニスの森で開催されているITF女子10万ドル大会、楽天ジャパンオープン・テニス・チャンピオンシップス(賞金総額$100,000、ハード)の女子シングルス決勝戦が行われ、第4シードの森田あゆみ(20歳)が、ジル・クレイバス(36歳、米国)を、6-3 7-5 のストレートで下し、1998年の杉山愛以来となる、日本選手の優勝を飾った。
2008年豊田の7万5千ドル以来、2年振りの大会優勝を東京で果たした森田あゆみ
「いい意味でリラックスできていた」。森田は優勝後の会見でそう話している。今季の森田はWTAツアーとグランドスラムを中心にスケジューリングし、苦戦を続けていた。今年の2月のクアラルンプールで、ベスト4に進出しただけで、その他の大会では2回戦より上には進めなかった。「なんだか優勝したという実感がまだわかなくて」と森田は笑顔を見せたが、素直な実感なのだろうと思う。
決勝は終始、森田のペースで進んだと言ってもいいだろう。相手のクレイバスは、WTAツアー時代の2002年にこの大会で優勝した選手だが、すでに36歳の大ベテラン。今季は不調でランキングを三桁に落としている。過去の対戦でも森田の2勝。森田の優勝のお膳立てはそろっていたと言っても良かった。
森田は持ち前のスピードでクレイバスを押し切った。第1セットは先にブレークして先行し、そのまま押し切り、第2セットは逆に先にブレークされた後に追いかける展開となったが、「ブレークされた後のプレーの質を上げて、簡単にゲームを相手にあげるようなことをしないようにした」と話した森田は、その言葉通り、ブレーク後には即ブレークバックしてタイに戻し、要所を締め続けた。強打の勝負に持ち込めば、森田に勝てる相手はこのレベルの大会にはいない。クレイバスは森田のボールの力に押され、最後は力尽きた。
「勝てない時期は大事なポイントで必死になりすぎたり、流れをつかめなかったりしたけど、勝てている時は冷静に対処できて、自分のテニスだけに集中できる。今回の優勝で、いい意味でリラックスする感覚が必要だとわかった」。森田の逆襲が、この東京でスタートしそうだ。
森田は、この優勝により、ランキングポイント150を獲得した。
※写真、上段と中段:森田あゆみ、下段:ジル・クレイバス。クリックで拡大。
試合経過
第1セット | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | TB | |
森田あゆみ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | 6 | |||||||
ジル・クレイバス | ○ | ○ | ○ | 3 |
第2セット | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | TB | |
森田あゆみ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | 7 | ||||||
ジル・クレイバス | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | 5 |
試合時間:1時間32分
※表の見方
○:サービスキープ
◎:サービスブレーク
ITF: $100,000 Rakuten Japan Open
シングルス
決勝
○森田あゆみ [4] 6-3 7-5 ●ジル・クレイバス(米国)
準決勝
○森田あゆみ [4] 7-6(3) 6-2 ●土居美咲
○ジル・クレイバス(米国) 6-7(3) 6-1 7-6(4) ●マグダレナ・リバリコワ(スロバキア)[3]
準々決勝
【トップハーフ】
○土居美咲 7-5 7-5 ●SAVCHUK, Olga(ウクライナ)
○森田あゆみ [4] 6-0 6-1 ●アルバータ・ブリアンティ(イタリア) [8]
【ボトムハーフ】
○マグダレナ・リバリコワ(スロバキア)[3] 7-6(5) 6-4 ●BELTRAME, Severine(フランス)
○ジル・クレイバス(米国) 7-6(2) 6-3 ●ジュリー・コイン(フランス)
2回戦
【トップハーフ】
○SAVCHUK, Olga(ウクライナ) 6-3 6-2 ●イベタ・ベネソバ(チェコ) [1]
○土居美咲 7-5 6-4 ●タマリネ・タナスガーン(タイ)[5]