★男子テニス・グランドスラム大会
■7,884,000ユーロ Roland Garros 2011, Paris, France (Red Cray)
22日、フランスのパリで、今年2番目の4大大会、全仏オープン(クレーコート)が開幕した。2006年大会から、期間中に日曜日が3度来る形で試合が組まれ、全15日間戦われるようになった全仏。選手たちからは評判の悪いスケジューリングだが、観客には好評のようで、大会は初日の分だけで3万人近く観客動員力を高めた。
クレーの猛者として知られる第7シードのダビド・フェレール(29歳、スペイン)、地元期待の第17シード、ジョーウィルフリード・ツォンガ(26歳、フランス)の試合などがセンターコートに組まれた。 技術、体力、精神力。それらすべての状態が万全で初めて勝負になると言われるのがレッドクレーの全仏の特徴。若手に思わぬ活躍選手が現れたり、逆に実績のあるベテランが敗れたりしやすく、「魔物が棲む」などと言われて来たのは、そんな背景がある。
しかし、今大会の初日の結果には波乱らしい波乱はなかった。フェレールは故障から復帰途上のヤルコ・ニエミネン(29歳、フィンランド)を相手に、その仕上がりの違いを見せつけて6-3、6-3、6-1と圧倒。地元のファンの声援を背景にパワーと技の両方を存分に披露したツォンガもまた、技巧派のヤン・バチェク(27歳、チェコ)を6-3、6-3、6-2で退けた。
第19シードのマリン・チリッチ(22歳、クロアチア)が、今大会最初の魔物の犠牲者となり、いわゆる「クレーコート・スペシャリスト」との対戦を乗り越えられずに姿を消した。また、試合直前になって、左足首の故障を理由にレイトン・ヒューイット(30歳、オーストラリア)が棄権。大会以前に03年チャンピオンのフアンカルロス・フェレーロ(31歳、スペイン)、アンディ・ロディック(28歳、米国)なども欠場を余儀なくされるなど、故障を抱えるベテラン勢には試合を戦う以前の段階で、その厳しさを突きつけるのもこの全仏だ。
日本の錦織圭(21歳)は台湾の廬彦勲(ルー・エンスン)(27歳、台湾)との対戦。お互いに病み上がりとスランプ中で、万全とは言えない同士の戦いを制したのは、終始冷静に試合を運んだ錦織。6-1、6-3、6-4のストレートでルーを下し、昨年に続き2回戦進出を果たした。錦織が2回戦に勝つと、全仏の日本男子としては1974年の坂井利郎以来の3回戦進出となる。「体調面に不安があったので、本当は初日の試合は嫌だったが、すんなり勝てたおかげで2日間のインターバルをもらえるのは結果としては良かった」と試合後にコメントした錦織の2回戦の相手は、様々なリズムを使いこなす技巧派、第31シードのセルジ・スタホフスキ(25歳、ウクライナ、193cm右利き)。2日間で状態をさらに上げ、上位進出を狙いたい。
大会2日目となる23日は、全仏初出場となる添田豪(26歳)が、第12シードのミハイル・ユージニー(28歳、ロシア)と3番オートの第1試合で対戦する。(日本時間午後6時開始)
上位シード勢では、第2シードのノバク・ジョコビッチ(23歳、セルビア)、第3シードのロジャー・フェデラー(29歳、スイス)がセンターコートに登場する。
現地レポート:浅岡隆太
◆関連サイト
ライブスコア(大会公式サイト)
グランドスラム:全仏オープン2011
シングルス
1回戦
【トップハーフ】
ラファエル・ナダル(スペイン)[1] vs ジョン・イスナー(米国)
サンチアゴ・ジラルド(コロンビア) vs パブロ・アンデュジャー(スペイン)
パブロ・クエバス(ウルグアイ) vs VEIC, Antonio(クロアチア)(Q)
GREMELMAYR, Denis(ドイツ)(Q) vs ニコライ・ダビデンコ(ロシア)[28]
サム・クエリー(米国)[24] vs フィリップ・コールシュライバー(ドイツ)
イワン・リュビチッチ(クロアチア) vs ソムデブ・デバーマン(インド)
ドミトリー・トゥルスノフ(ロシア) vs グザビエ・マリス(ベルギー)
フアン・モナコ(アルゼンチン) vs フェルナンド・ベルダスコ(スペイン)[16]
マーディ・フィッシュ(米国)[10] vs ヒカルド・メロ(ブラジル)
ダニエル・ヒメノ(スペイン) vs ロビン・ハース(オランダ)
ジェレミー・シャルディー(フランス) vs グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)
マイケル・ラッセル(米国) vs ジル・シモン(フランス)[18]
マルコス・バグダティス(キプロス)[27] vs フレデリコ・ジル(ポルトガル)
レオナルド・メイヤー(アルゼンチン)(Q) vs BROWN, Dustin(ドイツ)
RAMOS, Albert(スペイン)(Q) vs MARTI, Javier(スペイン)(Q)
ベンヤミン・ベッカー(ドイツ) vs ロビン・セーデリング(スウェーデン)[5]
アンディ・マリー(英国)[4] vs PRODON, Eric(フランス)(Q)
シモーネ・ボレリ(イタリア)(LL) vs フランク・ダンチェビッチ(カナダ)(Q)
アルノー・クレマン(フランス)(WC) vs フィリッポ・ボランドリ(イタリア)
ミヒャエル・ベラー(ドイツ) vs ミロス・ラオニック(カナダ)[26]
アレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)[21] vs ライナー・シュットラー(ドイツ)
HAIDER-MAURER, Andreas(オーストリア) vs ライアン・スウィーティング(米国)
KAMKE, Tobias (ドイツ) vs オリビエ・ロクス(ベルギー)
ジュリアン・ライスター(ドイツ) vs ビクトル・トロイツキ(セルビア)[15]
ニコラス・アルマグロ(スペイン)[11] vs ルカシュ・クボット(ポーランド)(Q)
カルロス・ベルロク(アルゼンチン) vs バーナード・トミック(オーストラリア)
ポティート・スタラーチェ(イタリア) vs アレハンドロ・ファリャ(コロンビア)(Q)
イゴール・クニツィン(ロシア) vs フロリアン・メイヤー(ドイツ)[20]
ケビン・アンダーソン(南アフリカ)[32] vs ニコラ・マウー(フランス)
フアンイグナシオ・チェラ(アルゼンチン) vs SMYCZEK, Tim(米国)(WC)
ROGER-VASSELIN, Edouard(フランス)(WC) vs ROSOL, Lukas(チェコ)(Q)
アンドレアス・ベック(ドイツ)(LL) vs ユルゲン・メルツァー(オーストリア)[8]
【ボトムハーフ】
○ダビド・フェレール(スペイン)[7] 6-3 6-3 6-1 ●ヤルコ・ニエミネン(フィンランド)
○ジュリアン・ベネトー(フランス) 4-6 6-1 6-2 6-0 ●ルイ・マシャド(ポルトガル)
○錦織圭 6-1 6-3 6-4 ●廬彦勲(台湾)
○ セルジ・スタホフスキ(ウクライナ)[31] 6-7(7) 6-3 6-3 6-3 ●GUEZ, David(フランス)(Q)
ミカエル・ロドラ(フランス)[22] vs スティーブ・ダルキス(ベルギー)(Q)
フィリップ・ペッツシュナー(ドイツ) vs ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)
○RUFIN, Guillaume(フランス)(WC) 6-2 6-3 6-2 ●エイドリアン・マナリノ(フランス)
ビヨン・パウ(ドイツ)(Q) vs ガール・モンフィス(フランス)[9]
○スタニスラス・ワウリンカ(スイス)[14] 4-6 6-3 6-4 6-2 ●GENSSE, Augustin(フランス)(Q)
SCHOOREL, Thomas(オランダ)(Q) vs マキシモ・ゴンザレス(アルゼンチン)
フロラン・セラ(フランス) vs イーゴリ・アンドレエフ(ロシア)
○ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)[17] 6-3 6-2 6-2 ●ヤン・バチェク(チェコ)
ヤンコ・ティプサレビッチ(セルビア)[29] vs ブライアン・ダブル(アルゼンチン)
○ペレ・リバ(スペイン) 6-3 3-6 7-6(6) 6-4 ●イワン・ドディグ(クロアチア)
○TEIXEIRA, Maxime(フランス)(WC) 6-2 5-7 6-7(4) 6-4 6-1 ●MILLOT, Vincent(フランス)(WC)
フェリシアーノ・ロペス(スペイン) vs ロジャー・フェデラー(スイス)[3]
トマーシュ・ベルディハ(チェコ)[6] vs ステファン・ロバート(フランス)(Q)
○ファビオ・フォニュイーニ(イタリア) 6-4 6-2 6-2 ●デニス・イストミン(ウズベキスタン)
トミー・ハース(ドイツ) vs ILHAN, Marsel(トルコ)(LL)
○ギリェルモ・ガルシアロペス(スペイン)[30] 6-1 7-5 4-6 6-3 ●ロバート・ケンドリック(米国)
○ルーベン・ラミレスイダルゴ(スペイン) 7-6(5) 6-4 6-4 ●マリン・チリッチ(クロアチア)[19]
○アルベルト・モンタネス(スペイン) 6-4 6-4 6-2 ●マルク・ジケル(フランス)(LL)
ダニエル・ブランズ(ドイツ) vs ミハイル・ククシキン(カザフスタン)
添田豪 vs ミハイル・ユージニー(ロシア)[12]
リシャール・ガスケ(フランス)[13] vs ラデク・ステパネク(チェコ)
BOGOMOLOV JR., Alex(米国)(LL) vs マルセル・グラノジェルス(スペイン)
○アンドレアス・セッピ(イタリア) 6-3 7-5 7-5 ●ティムラズ・ガバシュビリ(ロシア)
アンドレイ・ゴルベフ(カザフスタン) vs トーマス・ベルッチ(ブラジル)[23]
フアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)[25] vs イボ・カロビッチ(クロアチア)
○ブラズ・カブチッチ(スロベニア) 6-1 6-4 6-2 ●エルネスツ・ガルビス(ラトビア)
PAIRE, Benoit(フランス)(WC) vs ビクトル・ハネスク(ルーマニア)
ティエモ・デ=バッカー(オランダ) vs ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[2]
※カッコ[ ]内数字はシード順位、Q:予選通過者、WC:主催者推薦出場、SE:予選免除、LL:予選敗者からの繰上