26日の全仏オープン(フランス/パリ、クレーコート)。前日とはうってかわり、雲に覆われた天候となって気温が下がった大会5日目。森田あゆみ(21歳)が第21シードのヤニナ・ウィックマイヤー(21歳、ベルギー)に挑んだが、4-6、5-7のストレートで敗退した。これで日本勢のシングルスは男女を通して全員が姿を消した。
ウィックマイヤーは2009年の全米でベスト4の実績を持つ強打者。この数年はヒザに抱えた故障などの影響で伸び悩んできているが、その潜在能力は高い。森田も「初戦のように最初は様子見などをしていたら、どんどん相手に攻められる。ミスが出たとしても、最初から打っていこうと思っていた」と序盤から積極的に打って出た。
しかし、正面からの打ち合いになると、やはりウィックマイヤーの方が一枚上手。また、攻撃に転じたボールの確率の高さでも、森田はかなわなかった。接戦ではあったが、やはり結果は正しく両者の現時点での差を現していたといっていい試合だった。
もちろん、森田もそれを感じていた。「今日は自分のできることは全部やろうと思ってコートに入り、実際いいテニスもできていたと思う。サーブ力とリターンで差があったのは確かだし、結果は負けだったが、今取り組んでいることの方向性は間違っていないとも感じた」と力強く語った森田。トレーナーにも「サーブで170キロが出せる身体にしてほしい」と話すなど、今後、トップクラスと戦っていく上で何が自分に必要なのかが明確になってきているのだという。あらゆる意味で視野が広がり、精神的に一回り大人になった雰囲気が出てきている森田。飛躍の時が近そうな予感も漂って来た。
現地レポート:浅岡隆太