★WTA女子テニスツアー(WTA International)
■HP Open, Osaka, Japan(Hard/Outdoors)
16日、大阪の靱テニスセンターにて開催されている世界ツアー大会、HPジャパン女子オープン(ハード)は大会最終日を迎えた。
クルム伊達公子(41歳)は、張帥(ジャン・シューアイ)(22歳、中国)と組んだダブルスの決勝で、第1シードのバニア・キング(22歳、米国)/ヤロスロワ・シュウェドワ(24歳、カザフスタン)組と対戦。
対戦相手のペアは、2010年のウィンブルドンと全米オープンのダブルス優勝というダブルスプレーヤー。
クルム伊達は、激しい揺さぶりをかけてくる強豪相手に終始安定したプレーと随所に見せる巧みなテクニックで、今年1年組んできた22歳の若いパートナーをリードし続け、フルセットの接戦を7-5 3-6 11-9で制し見事優勝。クルム伊達は15年ぶり、そして、プロ復帰後初のダブルスでのWTAタイトルとなり、ペアの張帥はプロ転向後初のWTAタイトルとなった。
この日は、クルム伊達の安定感やテクニックとパートナー張帥の思い切りがよく噛み合った試合であった。
ダブルスプレーヤーである対戦相手は、巧みなフォーメーションと素早い動きでクルム伊達組に揺さぶりをかけるものの、クルム伊達がミスヒットする場面はほんとんどなかった。逆に相手を見切ったようにコースに打ち分けるクルム伊達のテクニックが、コートを支配する場面が何度もあった。
一方の張帥は、調子の波こそあるものの、ファーストセット後半からファイナルセットと思い切りのよいフルスイングのラリー戦を何度も制し、その爆発力でチームに勢いをつけた。
クルム伊達は試合を振り返り「昨日の試合終了が遅く、疲れていたが残り1試合だと思い頑張れた。張帥と組んで1年経つが苦しいことも乗り越えてきて結果が出て良かった。これまで色んな選手とダブルスを組んできたが、彼女と1年間ずっと組んできたのは、彼女の勝負強さと可能性を感じたから。それが今日証明された。いつもそこそこの成績はあったが、彼女にとってもWTA大会初のタイトルだし、私も復帰後、初のWTA大会での(ダブルス)タイトルとなった。今日の優勝は自信になったし、大きな勝利だと思う」と語った。
また今回の結果を受けて記者からの今後ダブルスプレーヤーになる可能性は?との質問に「今はシングルスありきのダブルス。シングルスが上手くいっていないのにダブルスに転向するわけにいかない」と笑顔を交えながら述べた。
大阪での1週間の激闘、ダブルスはクルム伊達公子/張帥ペアの優勝で幕を閉じた。