錦織圭(22歳)が快勝した直後の第6コートに登場したのは伊藤竜馬(23歳)。相手は世界ランク62位のポティート・スタラーチェ(30歳、イタリア)。クレーを中心に活躍する選手だが、長年、トップ100を維持してきているベテランだ。全豪との相性は良くないが、伊藤にとっては格上と言っていい。
序盤こそスタラーチェのストロークの巧さに振り回される場面もあったが、伊藤はすぐに対応した。第1セットは1ブレークの6-3で取って伊藤が先行した。
しかし、先行したことで伊藤はやや硬くなったのか、あるいはスタラーチェの調子が出てきたのか、第2セットは一転してスタラーチェのペース。伊藤はセットポイントを握られた後は開き直ってパワーで押し、何度もしのいだが、スタラーチェにしっかりと守られてこらえきれず、4-6で落としてしまう。
強い風の影響もあってか、お互いに持ち味を出し切れない展開にイライラを募らせていく展開だったが、我慢するしかないスタラーチェに対して、伊藤にはパワーがあった。
第3セットの伊藤は200キロ台のサービスでサービスエース、深く鋭いフォア、積極的にネットを取ってポイントを取ったかと思えば、ミスでの失点も繰り返したが、それでも伊藤は先にブレークして3-1とし、続くサービスゲームをフォアのストレートで取ってキープして4-1とリードを広げ、集中力が戻らないスタラーチェを追い込んだ。このセットは6-3で取り返して2-1と伊藤が王手をかける。
第4セットはお互いにキープしあいながら、第9ゲームまで進んだが、伊藤のバックのロブ気味のボールが風で押し戻されてインとなり、伊藤がブレークして、サービングフォーマッチを迎えた。伊藤は積極的な攻めを見せてスタラーチェにミスを強い、最後はワイドへのサービスエース。この試合で11本目のエースは1回戦突破への号砲となった。
日本男子が共に初戦を突破。いい風が吹いてきたようだ。
※写真提供:テニスジャパン、2回戦進出を決めた伊藤竜馬、クリックで拡大