大会5日目となる20日の金曜日、男女シングルスの3回戦がスタートする。ロッド・レーバーアリーナの第1試合はラファエル・ナダル(25歳、スペイン)対ルーカス・ラコ(24歳、スロバキア)、続く第2試合ではロジャー・フェデラー(30歳、スイス)とイボ・カロビッチ(32歳、クロアチア)のカードが組まれた。
この二人がデイセッションを戦うというのも珍しいが、第1試合というのは観客が揃わず、選手によっては敬遠するケースもあるが、逆に歓迎する場合もある。開始時間が決まっているため、準備がしやすいからだ。ナダルは与えられた状況を生かすタイプの選手。今大会では日程が落ち着かないが、ナダルなら自分に有利な形にしてしまうだろう。
フェデラーとカロビッチの過去の対戦成績は、フェデラーの9勝1敗。カロビッチは208cmの高さから最速で250キロに達するサービスで、驚異的なサービスエース奪取率を誇る現代の「エースマスター」。フェデラーと試合も勝敗はともかく接戦となることが過去は多かった。タイブレークまで持ち込んでしまえばあとはワンチャンス。フェデラーからすれば、セットの早い段階でブレークを狙っていくという試合になるだろう。
男子の注目カードはバーナード・トミック(19歳、オーストラリア)とアレクサンドル・ドルゴポロフ(23歳、ウクライナ)。共に次代のスターと期待される若手だが、非常に個性派。変幻自在で捉えどころのないテニスをとるトミックと、魔術師と呼ばれながらもあくまで攻撃的なテニスが身上のドルゴポロフ。今の時期の二人の試合を見ておくのは、今後のテニス観戦のいい話の種になるはずだ。
女子はハイセンス・アリーナの試合が面白そうだ。中でもナイトセッションに組まれたキム・クライシュテルス(28歳、ベルギー)対ダニエラ・ハンチュコバ(28歳、スロバキア )に注目したい。ハンチュコバはダイナミックなサイドチェンジを含め、展開力が最大の武器。クライシュテルスにとっては今大会を占う意味では格好のテスト相手となるはずだ。過去の対戦はクライシュテルスの9勝1敗だが、その1敗が全豪直前のブリスベンでのことだけに、楽観できる状況とは言えないだろう。