22日、大会7日目の女子の4回戦は、キム・クライシュテルス(28歳、ベルギー)対李娜(リー・ナ)(29歳、中国)のカードを除き、シード上では全て上位選手が勝ち残った。


キャロライン・ウォズニアッキ(21歳、デンマーク)は粘るエレナ・ヤンコビッチ(26歳、セルビア)をさらに上回る粘り強さで6-0 7-5で振り切り、ビクトリア・アザレンカ(22歳、ベラルーシ)はイベタ・ベネソバ(28歳、チェコ)を6-2 6-2で一蹴。アグニエシュカ・ラドワンスカ(22歳、ポーランド)はパワーで勝るユリア・ゲルゲス(23歳、ドイツ)を技で完全に崩して6-1 6-1で退けた。
唯一、接戦となったのが前年優勝者のクライシュテルスと、昨年全仏覇者である李娜。昨年の決勝の再現となったこの試合はお互いの気迫がぶつかりあい、最後は気力で勝ったクライシュテルスが、李娜を押しこむ形の逆転勝利だった。
第1セットはお互いの持ち味である強打の応酬となったが、途中でクライシュテルスが左足首をひねった所から、試合の様子は変化する。クライシュテルスの動きが悪くなり、攻撃は単発化。李娜がペースを掌握し第1セットは6-4で李娜が取って先行した。しかし、「痛み止めが効いてきて動けるようになった。あきらめなくて良かったわ」とクライシュテルスは試合後に明らかにしたが、第2セットの途中からはクライシュテルスのショットが決まり始め、逆に硬さが出たのか李娜のショットがラインを割ることが多くなった。クライシュテルスは気迫のプレーで勝負をタイブレークまで持ち込んだものの、先に6-2とリードしてマッチポイントを4本握ったのは李娜だった。
だが、ここからクライシュテルスが怒涛の反撃を見せて逆転。第2セットをクライシュテルスが取り返した。「4本のマッチポイントがあったのに取れず、それで気持ちが落ちてしまった」と李娜。最終セットは集中力を欠いた李娜がミスを連発。クライシュテルスの一方的な展開となって勝負は決まった。4-6 7-6(6) 6-4。クライシュテルスの気迫勝ちだった。
試合後の記者会見は足首のケアのため、足を釣り上げた状態でこなしたクライシュテルス。「私の周りには素晴らしい人達がいて、みんながケアのために動いてくれる。次の試合までには間に合わせるわ」。今大会が最後の全豪とも噂される彼女が、ひとつの大きな山を超えた。
クライシュテルスは準々決勝で第1シードのウォズニアッキと対戦する。