大会も1週目を終えた。22日、男子シングルスは4回戦4カードが行なわれ、それぞれ上位勢が順当に勝って8強入りを決めた波乱のない一日となった。
ラファエル・ナダル(25歳、スペイン)は同じスペインのフェリシアーノ・ロペス(30歳、スペイン)を6-4 6-4 6-2とストレートで下し、フアンマルティン・デルポトロ(23歳、アルゼンチン)はドイツのフィリップ・コールシュライバー(28歳、ドイツ)を相手に6-4 6-2 6-1と快勝。両者ともに12月のデビスカップ(国別対抗戦)決勝を戦い、わずか1ヶ月のオフでの全豪だっただけに状態が心配されていたが、大会後半に向けて調子を上げてきているようだ。
注目されたのはロジャー・フェデラー(30歳、スイス)対バーナード・トミック(19歳、オーストラリア)だったが、スコアは6-4 6-2 6-2、わずか1時間44分でフェデラーがトミックを一蹴し、貫禄の違いを見せつけた。フェデラーはトミックから13本のサービスエースを奪い、トミックの13に対して45本のウイナーを叩き込むなどして圧倒。トミックのテニスを完全に封じた。
「ロジャーとの試合は、他の試合とは違うんだ。まず、自分が勝てるとは思えないでコートに入らなきゃいけないから」。トミックは自嘲気味にそう話しているが、「彼のような選手との試合からは学ぶことがたくさんある。たとえ負けた試合からでもね」とも続けている。
一方のフェデラーは「彼はとても安定したプレーができるから、僕は目の前の1ポイントにだけ集中して試合を組み立てたんだ」と話す。「そういう積み重ねが相手にはプレッシャーになる。今日はいい試合を戦えたと思うよ」。フェデラーの経験が勝った勝利と言っていいだろう。
明日は4回戦の後半が行なわれる。大きな番狂わせはまだなく、残るべき選手が残っているが、明日はどうなるのだろうか。