全豪8日目は4回戦の後半。23日が終了すると8強が出揃うことになる。日本的にはやはり錦織圭(22歳)とジョーウィルフリード・ツォンガ(26歳、フランス)の試合が注目となる。
錦織とツォンガは昨年秋のATP1000上海で対戦しており、この時は錦織がツォンガの攻撃を封じ切り、最後は焦りを誘いだして6-7(1), 6-4, 6-4の逆転で勝利している。また、全豪直前のクーヨンでのエキジビションマッチでも錦織が勝っており、錦織からすれば萎縮するような相手ではない。
しかし、今大会のツォンガは好調。また、現在の男子ツアーにおいて、真の強豪と呼べる選手の一人だけに、同じ相手に対しての連敗は避けたいはずで、それなり以上の作戦を立てて試合に臨んでくるだろう。過去の敗戦を逆に自分の有利に変えようとしてくるはずだ。錦織はまず、自分のサービスゲームをキープしていくこと、そして、ツォンガに簡単にポイントさせず、無理を強いる展開に持っていければ勝機は十分にある。熱戦を期待しよう。
男子上位勢のカードでは、ノバク・ジョコビッチ(24歳、セルビア)とレイトン・ヒューイット(30歳、オーストラリア)の対戦に注目したい。ジョコビッチも好調を維持しており、今大会ではまだ1セットも落としていない。対するヒューイットは激戦を繰り返しながらも、徐々に実戦の感覚を取り戻してソリッドさが増している。当然、疲労も出てくる頃だが、コートに立ってしまえば闘志で何とかしてしまえるのがヒューイットだ。接戦に持ち込めれば、地元の有利さを生かした戦いに持って行ける可能性もある。お互いに相手に打たせてカウンターを取るプレーが生命線とはいえ、自分のテニスを崩さざるをえなくなった方が不利になる。序盤の主導権の取りあいをどちらが制するか、それが最初の注目点となるだろう。
注目の試合は、ハイセンスアリーナの第2試合で行われる。(第1試合の開始は日本時間午前9時)
女子ではハードヒッター同士の対決であるサビーネ・リシキ(22歳、ドイツ)対マリア・シャラポワ(24歳、ロシア)も興味深いが、復活の兆しが見えているアナ・イバノビッチ(24歳、セルビア)と、次期女王候補筆頭のペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)の戦いに注目したい。このところのイバノビッチは、勝ち進んでいても大会の4試合目前後で失速する傾向が強いが、かつてのナンバー1であり、2008年の全仏を制覇した実績は伊達ではない。才能で言えば今もトップクラスのものを維持しているだけに、クビトバを倒せるポテンシャルは持っている。現時点ではクビトバの一方的な試合になる可能性も高いが、イバノビッチが最初から畳み掛けられれば勝負もわからなくできる。女子テニスに華を添える存在として、イバノビッチの復活は待望久しい。好ゲームを期待しよう。
また、女子ダブルスで勝ち残っている藤原里華(30歳)/森田あゆみ(21歳)組の2回戦もある。相手はチェコの第7シードのアンドレア・フラバコバ(25歳、チェコ)/ルーシー・フラデカ(26歳、チェコ)組。1回戦に続き強豪との対戦だが、これに勝てば8強入りが果たせる。奮闘を期待したい。
他には日本のジュニア勢の1回戦。日比野菜緒、澤柳璃子、大西賢のシングルスと、各ダブルスが組まれている。ジュニアたちにとってもグランドスラムの会場で戦う経験はこの先のテニス選手生活では貴重な経験となる。1戦でも多く勝ち抜いてほしいところだ。