25日、男子シングルスの準々決勝、錦織圭(22歳)対アンディ・マリー(24歳、英国)は、3-6 3-6 1-6のストレートで錦織が敗れた。
マリーは1stサービスの入りが悪く、試合を通じての1stサービスの確率は44%と低調だったが、ラリーに入ってからの展開でも錦織に一打以上多く打たせる抜群の守備力と、追い込まれても質の高いボールを返して錦織に自由に打たせない。錦織は無理を強いられる形を度々作られ、それを最後まで覆せなかった。
また、マリーはサービスこそ低調だったが、リターンは好調で、特に錦織の2ndサービスはいいようにコントロールされ、前に入り込まれてのエースも数多く取られた。
しかし、スコアほどの一方的な惨敗ではない。マリーのウイナーが36本に対して、錦織も30本のウイナーを奪うなど、見所は数多く作った。最後の1本の精度を高めれば、次の対戦ではさらに肉薄もできるはずだ。
現在の男子ツアーで「4強」と呼ばれるのが、ノバク・ジョコビッチ(24歳、セルビア)、ラファエル・ナダル(25歳、スペイン)、ロジャー・フェデラー(30歳、スイス)、そしてこのマリーだが、この4人はほとんど例外的な強さを持つ選手。中でもマリーはパワーやスピードよりも、テクニックと戦術に秀でたタイプで、たとえ追い込まれていても、ラケットでボールに触りさえすれば、相手が返球しにくいボールを自在に作り出せる才能の持ち主だけに、カウンタープレーを武器とする錦織にとっては最も難しい相手だったはず。
しかし、それだけに学ぶことも多かっただろう。錦織の今後がさらに楽しみになってきた。