デビスカップ・ワールドグループ1回戦の日本対クロアチア戦が、2月10日から兵庫県三木市のブルボンビーンズドームで開催されます。日本にとっては27年ぶりのワールドグループでの戦いです。
全豪オープンで錦織圭選手が四大大会初のベスト8入りを果たすなど、日本男子には追い風が吹いています。心強いのは、デビスカップ代表の3人が錦織選手に続いていることです。伊藤竜馬選手は全豪で四大大会初勝利を挙げ、添田豪選手、杉田祐一選手も今年、ツアーで結果を残しています。
少し前まで日本男子はなかなか100位台にも名を連ねることができなかったのですが、今は錦織選手が20位台で、添田選手と伊藤選手も100位前後につけています。また、以前の日本男子はチャレンジャーでは頑張っていても、ツアーレベルへの挑戦には慎重なところがありましたが、今ではみな、積極的にトライしています。そのことが今の結果につながったのだと思います。みな、確実に力をつけていますね。
※記事:WOWOW提供
※写真は左から杉田祐一、錦織圭、竹内映二監督、伊藤竜馬、添田豪、クリックで拡大
※写真:北村大樹/アフロスポーツ
私自身は、グランドスラムでしか直接試合を見る機会はないのですが、試合を見ていると「ここで戦うべき選手たちだな」と感じます。添田選手は昨年、グランドスラム3大会で本戦に出たことはすごく自信になったと藤選手も全豪での1勝は自信になったことでしょう。
伊藤選手はグラウンドストロークで重いボールが打てるので、クロアチア選手にもパワー負けしないでしょう。クロアチアにはサーブ力のある選手が多いので、サービスゲームのブレークは簡単ではありません。日本チームとしてはサービスキープがキーですね。
やはり、カギを握るのは錦織選手のシングルスだと思います。クロアチアがどの選手を起用するにしても、錦織選手にはシングルス2試合ともチャンスがあると思います。全豪で活躍し、精神的にも充実しているでしょう。コンディションさえ整えられれば誰にでも勝てる、そう思えるくらいの自信があるのではないでしょうか。
彼は団体戦でも普段のツアー以上の力を出せる選手だと思います。デビスカップでの戦いぶりは他の大会とはまったく違い、ガッツポーズなど普段のツアーでは見せないパフォーマンスも見せてくれます。淡々としているので、普段のツアーと変わらない感じで臨んでいるのかなと思いましたが、実はデビスカップには思い入れがあるようです。
デビスカップで得た自信はなにものにも代えられない、というコメントもありました。去年後半戦の活躍の始まりは9月のデビスカップだった、ということも話しています。確かに、一昨年のジョコビッチのように、選手がひと皮むけるというか大きく成長するのがデ杯やフェドカップです。錦織選手もその好例なのかもしれません。
クロアチアは主力のチリッチ(ATP23位)がケガでツアーを離れていますが、上位選手が全員出場できればかなり手強いチームです。ルビチッチ(同32位)は自己最高3位で32歳のベテラン、ランキングの3番目は38位のドディグ、208センチの長身から繰り出すサーブが武器のカルロビッチ(46位)もいます。底力がある選手、経験豊富な選手が多いチームですね。
私の印象では、試合巧者というかスマートな選手が多いな、というのがこのチームです。爆発力というより、コツコツ型。なんとなく派手なように見えるのですが、地道な選手が多いという印象です。チリッチは、若いけれどもすごく真面目に、やるべきことを一つずつ重ねていく選手ですし、ルビチッチは経験もあり、一時の不調も脱して結果を残しています。
ビッグサーバーの多いチームですが、日本の選手たちはリターンが安定しているので、十分戦えると思います。リターンは錦織選手の得意なショット。どんなビッグサーバーでも、今の勢いがあればシャットダウンできるのでは、と思っています。
(※ランキングは1月30日現在)
※記事:WOWOW提供
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