惜しくも敗退したが、長年の悲願であった世界16強が世界一の座を争う舞台(テニスの国別対抗戦デ杯ワールドグループの1回戦)に進出した日本。その日本を2005年から支えてきた竹内映二監督が今回限りでの辞意を表明した。「僕が監督になった当初は前のチームを引き継ぐ形だったが、今は完全に新しいメンバーによる、新しいチームになった。新しいチームはまた新しい人が率いて、さらに上を目指してほしい」と竹内監督。
今回の敗退に関しては、あくまでも前向きに捉えて「数年前までのことを思えば、日本がワールドグループで戦えることそのものが明るいニュース」と表現しつつ、監督個人としては「悔いはいっぱいあります。今回も自分がもっと適切なアドバイスを送れていれば、初日の(錦織)圭の試合でももっといい形を作れたかもしれないし、2日目のダブルスで相手にもう1セット余計にプレーさせていれば、(出ていた相手選手の体力を削ることで)最終日にもっとうまくやれていたかもしれない。僕にもっと力があれば、ちょっとしたことであっても変えられたかもしれないと思います」と反省の言葉を続けた。


日本の可能性については「各国の平均年令を比較してみてほしい。日本のチームはまだ若い。この若さが武器になる。2、3年後の日本チームは、今の錦織(22歳)や伊藤竜馬(23歳)、杉田祐一(23歳)が全盛期を迎え、添田(27歳)もベテランとしてさらに経験を積んだ存在になれるはず。今回の敗退も大きな差があったわけではなく、小さな差。この小さな差を埋めるのには膨大な努力が必要だが、彼らならきっとやってくれると思う。数年後の彼らは必ず何かをやらかす存在になれると思います」と断言した。
今後の課題については、「今の日本はトップ100に2人。クロアチアは今回は来てなかった選手も含めると、トップ50に4人もいる国。ワールドグループで勝ち上がることを考えれば、それぞれがランキングを上げ、5セットマッチであるグランドスラムでの経験を積み重ねなければならない」と続けた。