パリのローランギャロスで開幕中の全仏オープンは、現地時間28日に大会2日目が行われ、女子前年優勝者の李娜や、男女世界1位ら注目選手が多数登場。李娜はソラナ・シルステアを6-2、6-1で下し、2009年優勝者のロジャー・フェデラーも6-2、7-5、 6-3のストレート勝ちで2回戦に進出した。


世界1位のノバク・ジョコビッチは、キャリア・グランドスラムに向け好発進だ。対戦相手のポティト・スタラーチェはランキングこそ97位だが、そこはイタリア育ちのクレーのスペシャリスト。赤土の上では、その潜在能力はランキングをはるかに上回ると見ていいだろう。
実際に試合立ち上がりは、スタラーチェがクレーの特性を存分にいかしたプレーで、ジョコビッチを苦しめる。トップスピンとスライスを抜群の配合で組み合わせ、機を見てドロップショットやネットプレーでポイントを奪う。爆発的なフットワークをほこるジョコビッチも、前後左右に振られるうちにミスも増え、第1セットはタイブレークにもつれ込む接戦となった。
だが、このタイブレークをジョコビッチが7-3で奪うと、徐々に力の差が数字にも現れだす。第2、第3セットはジョコビッチが強打で圧倒し、7-6、6-3、6-1で勝利した。
試合後のオンコートインタビューでジョコビッチは、流暢なフランス後で「ローランギャロスが大好きです。ぜひこの大会を勝ちたい」と優勝への意気込みを語り、地元ファンの大喝采を浴びた。
男子1位とは対照的に、女子1位は初戦敗退までわずか2ゲームまで追い込まれる、苦しい大会のスタートとなった。
初めて背負ったグランドスラム第1シードの肩書きが、若い女王の肩に重くのしかかったのだろうか? ビクトリア・アザレンカは、103位のアルベルタ・ブリアンティに第1セットを奪われると、第2セットも立ち上がりから4ゲーム連続で失い、またたく間に0-4へと追い込まれてしまう。さらには第5ゲームでも、ブレークポイントを相手に握られる絶体絶命の状況に陥ったのだ。
だがこの場面でアザレンカは、強烈なセカンドサーブをセンターに打ち込み、そしてこれがエースになる。もし数センチでもそれてダブルフォルトになれば、第2セットは0-5となり、試合の行方を決しただろう。
「ラッキーだった」
試合後にアザレンカは、くだんの場面をそう振り返り笑みをこぼすが、いちかばちかの勝負に出て勝てるのが、彼女が世界1位に座する理由だろう。このゲームをキープしたアザレンカは、6ゲーム連取で剣ヶ峰から奇跡的な逆転に成功。第3セットは2-2から4ゲームを一気に奪いきり、6-7(6)、 6-4、6-2で辛くも初戦を突破した。