クルム伊達公子は、第14シードのフランチェスカ・スキアボーネと、コートフィリップ・シャトリエ(センターコート)の第1試合で対戦。2010年優勝者のスキアボーネは、昨年も同大会で準優勝しているクレーの実力者。今シーズンはやや低調だったが、先週のストラスブルグ大会で優勝するなど、ここに来て調子を上げている。


対するクルム伊達は、痛めていた足の回復具合が気になるところ。開幕に先駆け、日曜に行われたチャリティマッチでは、まだ左太ももにテーピングを巻いた状態だった。だが痛みはかなり和らぎ、試合にはテーピングなしで挑めるまでに回復しているという。
両者は過去に2度対戦し、いずれもスキアボーネがストレートで勝っている。スキアボーネの高く跳ねるスピンを、いかにクルム伊達が処理するか? 多くの選手が口をそろえて「今年は速い」というサーフェスを味方につけたいところだ。
初の全仏本戦出場となる伊藤竜馬は、コートスザンヌ・ランラン(第2スタジアム)の第4試合で、第4シードのアンディ・マリーに挑戦する。両者はシングルスでは初対戦だが、昨年の楽天オープンにてダブルスの対戦がある。そのことを踏まえ、マリーは伊藤の印象を、「フラットでボールを打つ選手。いい強打を持っている」と語った。
一方の伊藤は「失うものは何もない。粗くならず、一本調子にならず、ネットにも出ていきたい」と、BIG4に全力でぶつかる心づもりだ。
ところで、イギリスにおいて絶大な人気と知名度を誇るマリーの対戦相手ということで、イギリスメディアの伊藤に対する関心が高い。月曜日に、イギリスメディアからの異例ともいえるプレマッチ会見に応じた伊藤は、10人ほどの記者から、生い立ちやマリーの印象について質問攻めにあった。慣れない英語での質疑応答ながらも、伊藤は「アガシに憧れ、髪を剃ったことがある」などのエピソードをユーモラスに披露。英国記者たちからも、「彼は良い人だ」と好意的に受け止められていた。
伊藤と同様、やはりこれが全仏初の本戦となる添田豪は、第4コートの第1試合でドミトリー・ツルスノフと対戦。ツルスノフは現在88位とランキングこそ添田より下だが、6年前には自身最高20位を記録している実力者だ。ただ、今シーズンはケガなどもあり、まだツアーで勝利を上げていない。対する添田は、前哨戦の“ワールドチームカップ”でアンディ・ロディックを破るなど、現在絶好調。悲願のグランドスラム初勝利に向け、大きなチャンス到来だ。
昨年、全仏オープン初勝利を上げた森田あゆみは、第5コートの第1試合に登場。初戦の対戦相手のポロナ・ヘルツォグとは、過去にフェドカップで2度対戦しており、対戦成績は1勝1敗。そのいずれもがフルセットであり、直近の対戦では森田がホームで逆転勝利を納めている。ただヘルツォグはクレーを得意とし、森田が敗れた対戦もクレーコートだった。森田は得意の強打を深く打ち込こみ、長身の相手を足元から崩したい。