パリのローランギャロスで開催中の全仏オープンは、現地時間7日に女子準決勝を行ない、第2シードのマリア・シャラポワが、第4シードのペトラ・クビトバを6-3、6-3で破って決勝へと進出した。


勝利の瞬間、まるで優勝したかのように両手を高々と突き上げ、青空ののぞく天を仰ぎ見た。3つのグランドスラムタイトルを手中に納めてきたシャラポワにとっても、この勝利が格別なものであることは、歓喜のジェスチャーと顔いっぱいに広がる笑顔が物語っている。シャラポワにとって、これが全仏初の決勝進出。そして同時にこの勝利は、4年ぶりの世界1位の座を、彼女に約束するものだった。
シャラポワが肩の負傷に見舞われたのは、初めて1位になった2008年夏のことだった。そこから多くの大会出場を見送り、肩の手術を経て彼女がコートに戻ってきたのが、2009年のクレーシーズン。同年の全仏に出場したとき、彼女のランキングは102位だった。
そこから3年。長年のコーチを変え、ラケットも変えて頂点への道をもがきながらも探し続け、そしてついに再び、かつていた場所まで戻ってきたのだ。そうして積み上げてきた彼女の強さは、対戦相手のクビトバの「私はナーバスではなかった。彼女(シャラポワ)はサーブも動きが速かった」との言葉にも明らかだ。
1位に返り咲いたシャラポワの試合後の会見には、多くのカメラマンや記者が詰めかけ、まるで祝勝会のような華やかさだった。初の全仏決勝進出や1位復帰を祝う声に、ジョークも交え和やかに応じるシャラポワ。だが、明後日の決勝に話が及ぶと、表情に険しさが戻り声のトーンが一段下がる。
決勝で対するサラ・エラニと自身の経験の差に触れ、「経験は私にとって大きな武器。経験はお金では買えない重要な物」と自信をのぞかせる。だが同時に「結局のところは全ては違う試合だし、どの試合でもコートに立ち最善を尽くすしかない。そしてよいプレーをしたほうが、最終的には勝つことになる」と油断はない。「エラニは、今季クレーでたくさん勝っている。とても危険な選手」と、クレー巧者への警戒心を見せた。
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