全仏オープンで優勝した、ラファエル・ナダルの優勝会見が行われた。そのもようをお届けする。
――決勝戦は、昨晩と今日に別れてしまいました。そして昨日の試合の終盤では、相手に8ゲーム連取を許しています。今日の試合では、どのようにその流れを変えたのでしょう?
ナダル:昨日のコート状況は、とても異例のものだった。ボールがものすごく重く、特に試合後半1時間半ほどは、バウンドもおかしくなりだした。あのようなコンディションは、ノバク(ジョコビッチ)に有利だったんじゃないかと思う。
そして同時に、僕は世界最高の選手と戦っていたんだ。彼はとてもよいプレーをして、8ゲームを連取した。ミスが無く、リターンも素晴らしかった。僕はベースラインの後方に押し込まれ、とてもやりにくいポジションでプレーを強いられていた。だから、8ゲームを連取されたあとに1ゲームを取り返し、(第4セットを)ゲームカウント2-1で試合を終えたのは、とても重要なことだったんだ。
――試合が中断され、今日に持ち込まれたときは「よかった」と思いましたか? また、昨晩はよく眠れましたか?
ナダル:正直いうと、昨晩はずっとナーバスだった。残りの試合をどうプレーするべきかと、少し気になっていたんだ。中断は、正しい判断だったと思う。昨日の最後数ゲームのコートの状態は、グランドスラムの決勝をやるに相応しくはなかったと思う。いずれにしても、確かにあの場面での中断は、自分にとって良かったと思う。最初の中断……6-4、5-3での中断は僕にとっては不利だったけれど、2度目の中断は、試合のコンディションを考えたときには、とても大きな意味を持った。
――史上最多となる全仏7つ目のタイトルを取った喜びを、聞かせて下さい。
ナダル:とても感激的な日なのはまちがいないよ。全仏で、また勝てたのだから。7つ目の優勝はもちろんうれしいけれど、それは、ふたたび全仏で勝てたということだからなんだ。僕にとって、1回目でも2回目でも7回目でも、大切なタイトルということには変わりない。
今回よいプレーができたことに、僕はすごくすごく満足している。とても攻撃的にプレーしたし、とくに昨日の最初の3ゲームは素晴らしいレベルだった。でもそのあとは、あまり良くなかった。今日の僕は、昨日よりもっとよいプレーをした。とくにサーブとフォアハンドがよく、そしてよく動き、攻撃的に攻めた。
――あなたがクレー、とくにローランギャロスでは別格に強い理由は何ですか?
ナダル:ローランギャロスだけ特別というわけではなく、僕はクレー全般が得意なんだ。モンテカルロやバルセロナでは、ここ以上に勝っているからね。どうしてクレーに強いのかは……わからないけれど、僕はつねに一生懸命練習してきた。そして僕のプレーそのものが、自然とクレーにあっているのだと思う。僕の動きや、普段打っているショットが、クレーでは効果的なんだろう。
そして僕のメンタリティも、クレーにあっているんだと思う。クレーではたくさん走らなくてはならないし、苦しい局面も多いし、考える時間が多いから戦術面も重要になってくる。
僕は、負けることを恐れているんだ。だからいつでも、コートで対戦する相手には、自分を打ち負かす力があることを理解している。そして、相手に敬意を表しているんだ。この8年間、僕はコート上でつねにすごく集中していた。それがこのコートでは重要なんだ。つねによいプレーをし続けるなんて不可能だけれど、そこそこのプレーのときでも、メンタルは100%だった。それが、僕がここで勝てる理由なんだと思う。