go_soeda120615_2.jpgロンドンで開催中のAEGON選手権に出場した添田豪は、2回戦でイバン・ドディグと対戦し3-6、6-7で敗れた。添田とドディグは今年2月のデビスカップ日本対クロアチア戦でも対戦しており、そのときは添田がフルセットの逆転勝ちを納めていた。


go_soeda120615_1.jpgドディグの精力的な守備は芝の上でも有効で、200km/hを超えるサーブは芝の上でこそ最大の効果を発揮した。「立ち上がりが悪かった」という添田の出鼻をくじくように、ドディグは高確率のファーストサーブと、ベースラインからの強烈なフォアでポイントを重ねていく。前に出るべきか後ろにとどまるべきか悩む添田は、なかなかリズムをつかめなかった。
第2セットに入ると、添田は積極的にネットに出てリズムを作る。サーブ&ボレーを試みたり、ドロップショットなどで相手を走らせるプレーも見せていく。客席やカメラマンの動きに苛立つドディグに対し、添田は終始冷静さを保ってもいた。だが、それでも、最後の最後で集中力を高め、決定機を奪っていったのはドディグだった。第2セットタイブレーク。プレッシャーを掛けるべく前に出た添田の頭上を、鮮やかなロブが抜いて試合は決まった。
サーブの確率や、試合の入り方に課題を残した試合ではあるが、あくまでこの大会を「ウィンブルドンへの調整」ととらえる添田に、焦りや大きな落胆はない。そのあたりの考え方にも、ランキング50位代の余裕がみられるようになってきた。さらには、オリンピック出場が正式に決まったのも、精神的なゆとりに繋がっているのだろう。「落ち着いたというか、ほっとした」という口調や表情にも安堵感が漂う。
ランキング的に四大大会出場を確定させ、そしてオリンピック代表の座も射止めた。その地位を固めた上で次に狙うのは、グランドスラムでの一勝と、「グランドスラムと同じくらいの位置づけ」だという五輪での勝利だろう。
「次のウィンブルドンで一勝を上げたい」
最も好きなグランドスラムで、まずは最初の目標クリアを狙う。