maria_sharapova120630.jpgロンドン郊外で開催中のウィンブルドン選手権は29日に男女3回戦を行い、女子第1シードのマリア・シャラポワや、第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカらがいずれもストレートで快勝。今季限りの引退を表明しているキム・クライシュテルスも、相手の試合途中の棄権により、4回戦進出を決めた。


この日のセンターコートは、午前中から時折落ちる雨を考慮し、3試合すべて屋根が閉められた状態で行われた。天候などの影響を受けないそのセンターコートで、ラドワンスカは持ち前の繊細なタッチを存分に生かし、地元イギリスのヘザー・ワトソンを6-0、6-2で一蹴。今大会ここまでセットを落とすことなく、4回戦へと勝ち上がった。
 
屋根を閉じたセンターコートとは異なり、外は強風が吹き抜ける悪条件。ナンバー1コートで戦ったシャラポワやクライシュテルスらは、「風が強く、しかも吹く方向が変化し続けた」と、すり鉢状のスタジアムを巻くように吹く風の影響に言及した。それでも、困難な状況にも対応しきっちり勝つのが、複数のグランドスラムを制してきた彼女たちの実力だ。シャラポワは、スライスやドロップショットを多用する謝淑薇のトリッキーなプレーに悩まされながらも、6-1、6-4でストレート勝ち。「風が強かったので、我慢強く、そして賢く戦うようにした」と本人も言うように、経験に裏打ちされた適応力の高さを示した、貫禄の勝利だった。
元世界1位のクライシュテルスは、第12シードのベラ・ズボナレワと激しい打ち合いを展開した末に、第1セットを6-4で先取。そして、第2セットの第7ゲームをクライシュテルスがブレークしたところで、ズボナレワが体調不良を理由にリタイヤ。ノーシードのクライシュテルスが、シード選手を2人破って4回戦へと進出した。
その他の試合では、第8シードのアンジェリーク・クルベールや第15シードのサビーネ・リシキらが順当に勝ち上がる中、第20シードのナディア・ペトロワが、予選上がりのカミラ・ジオルジに3-6、6-7で敗れる番狂わせがあった。
※写真は快勝で4回戦進出を決めたマリア・シャラポワ、クリックで拡大