radwanska_120706_01.jpgロンドン郊外で開催中のウィンブルドン選手権で、7月5日に女子準決勝が行われ、第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカが、第8シードのアンジェリーク・クルベールを、6-3、6-4で破り、初のウィンブルドン決勝進出を決めた。


※写真は自身初となる決勝進出をきめたラドワンスカ、クリックで拡大
172センチの細身の身体が、芝の上を華麗に舞った。世界3位の実力者ながら、これまでグランドスラムで準決勝以上に進んだことのなかったラドワンスカが、一気に決勝へと駆け抜けた。
パワー全盛といわれる女子テニス界にあり、ラドワンスカはユニークな存在だ。カウンターやドロップショットを得意とし、パワーではなく、ショットの精度と配球の妙で勝負するテクニシャン。その業師の魅力が、得意とするグラスコートで遺憾なく発揮された。
そしてこの日のラドワンスカは、サーブがよかった。サーブは小柄な彼女の弱点となりがちであったが、準決勝ではファーストサーブの成功率が78%。しかもそのうち72%をポイントにつなげられたのは、サーブの威力のみならず、その後の組み立ての上手さにある。奪ったエースも3本。自分のサービスゲームをキープできたことが、会心といえる試合運びの基盤となった。
サーブが安定すれば、得意のネットプレーやスライスもより威力を発揮する。ディフェンスが強い印象のあるアザレンカだが、この日はさきに仕掛けてネットで決める攻撃的な姿勢が光った。奪ったウィナー20本に対し、犯したアンフォーストエラーは6本という驚異的なスタッツ。「両者にとり初めてのグランドスラム準決勝だったから、試合序盤はナーバスだった」というその序盤を抜けたあとは、まさにラドワンスカが狙った通りの展開だった。
ラドワンスカにとって、ウィンブルドンは7年前にジュニアタイトルを取った大会。「ジュニアで優勝したのは、最近だったようにも、遠い昔だったようにも思える。またここでトロフィーを掲げたい」と、思い出の地での優勝を狙っている。
※記事中の写真に誤りがございましたので、訂正いたしました。申し訳ございません。