10月30日(金) 第95回 三菱 全日本テニス選手権 。今年は新型コロナウイルス感染予防のため32ドローのシングルスのみ、無観客で行われている。
準々決勝が行われ、男子では第1シードで昨年準優勝だった清水悠太(三菱電機)が第8シードの山崎純平(日清紡)にストレートで敗れた。二人は2年連続全日本で対戦、清水が2連勝していたが。
第2シードの今井慎太郎(イカイ)は田島尚輝(やまやC)にストレート勝ちしたが、第3シードの内田海智(富士薬品)は中川直樹(橋本総業)に逆転負けした。慶大4年の今村昌倫が清風高そして慶応と3年先輩の上杉海斗(江崎グリコ)を破り準決勝に進んだ。
女子では第1シードの日比野菜緒(ブラス)、昨年のチャンピオンで第4シードの本玉真唯(島津製作所)、昨年準優勝の秋田史帆(橋本総業)と18歳の佐藤久真莉(富士薬品)が準決勝に進んだ。
第2シードの内藤祐希(亀田製菓)は、首と右肩痛から満足にテニスができず途中棄権した。
日比野菜緒 初の4強
<<準々決勝>>
◎1]日比野菜緒(ブラス) 62 64 ●牛島里咲(マサスポーツ)
日本では大坂なおみ(日清食品)に次ぐ世界ランキング(71位)の日比野。
2回戦では同じ94年生まれのライバル、穂積絵莉(日本住宅ローン)と対戦、試合はファイナル・セットに縺れ、先にブレークされなど苦戦するが6-4,2-6,6-4で8強。
準々決勝では牛島の「しぶとく、簡単にポイントが取れない」タフな試合だったが「自分から攻撃し」4強となった。
「全日本はこれまではツアーとの日程が重なって出場できなかったが、全日本のタイトルは自分にとってすごく大きい」と2014年大会以来、6年ぶりに出場、優勝を狙っている。
準決勝では18歳の佐藤久真莉の挑戦を受ける。
<<準々決勝>>
◎中川直樹(橋本総業)46 75 62 ●3]内田海智(富士薬品)
中川(23歳)は盛田ファンドで米国IMGアカデミーにテニス留学、2014年USオープンジュニアダブルスで優勝している。
内田は26歳。ジュニア時代、ウィンブルドン、USオープンで4強、ジュニアランキングでは世界3位となっている。その後は世界ツアーを回っている。高3年生だった2012年以来、8年ぶりの全日本。
共にジュニア時代から期待されている二人が、盛田ファンドの生みの親、盛田正明元日本テニス協会会長の見守る中で準々決勝が始まった。
第1セットは内田のパワーが中川のプレーを上回る。
第2セットも内田のペース、3-1とリードする。
主審一人で判定するために、微妙なコーリなどもあり、中川にとっては集中力が切れてしまいそうな展開が続くが、そこからしぶとく踏ん張り、挽回勝ちした。
中川、錦織圭に次ぐ逸材として期待され、18歳でプロ転向。しかし転向直後に右ひじ痛で、1年間試合ができなかった。
復帰したが、18年5月には、今度は右手首故障そして手術と苦しい時期を過ごしている。
そんな苦難を乗り越えた強さを見せてくれた。
関連記事:中川直樹データー
優勝賞金:320万円
準優勝:160万円
4強:80万円
8強:20万円
1回戦:6.4万円
<<男子準決勝>>
8]山﨑純平(日清紡)vs W]今村昌倫(慶大)
2]今井慎太郎(イカイ) vs 中川直樹(橋本総業)
<<準々決勝>>
◎8]山﨑純平(日清紡)75 61 ●1]清水悠太(三菱電機)
◎W]今村昌倫(慶大) 62 75 ●W]上杉海斗(江崎グリコ)
◎中川直樹(橋本総業)46 75 62 ●3]内田海智(富士薬品)
◎2]今井慎太郎(イカイ) 63 64 ●田島尚輝(やまやC)
男子シングルスドロー
<<女子準決勝>>
1]日比野菜緒(ブラス) vs 佐藤久真莉(富士薬品)
4]本玉真唯(島津製作所) vs 秋田史帆(橋本総業)
<<準々決勝>>
◎1]日比野菜緒(ブラス) 62 64 ●牛島里咲(マサスポーツ)
◎佐藤久真莉(富士薬品) 64 46 60 ●美濃越舞(安藤証券)
◎4]本玉真唯(島津製作所) 76(5) 62 ●8]波形純理(伊予銀行)
◎秋田史帆(橋本総業) 60 ret. ●2]内藤祐希(亀田製菓)
女子シングルスドロー
1回戦から準決勝 ライブ配信
決勝は NHKBS1で放送予定
記事:塚越亘/塚越景子 写真:鯉沼宣之/伊藤功己/TennisJapan