
2月7日、男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ ファイナル予選1回戦 日本 vs オーストリア」の第2日が東京・有明コロシアムで行われた。前日の1勝1敗で迎えた2日目、日本はダブルスで勝利し王手をかけたが、続くシングルス2試合を落とし、通算2勝3敗でオーストリアに敗れた。これにより日本は9月のファイナルズ予選2回戦進出を逃し、ワールドグループ1部に回ることとなった。
【第3試合】
〇綿貫陽介 / 柚木武 7-6(4) 6-7(8) 6-4 ●ルーカス・ミードラー / アレクサンダー・エルラー
この日の第1試合となるダブルスには、前日のシングルスで勝利した綿貫陽介と、デ杯ダブルスでペアを組む柚木武(ATPダブルス95位)が登場。対するオーストリアは実績のあるミードラー(同23位)/エルラー(同38位)のペア。
試合は両チームともに譲らないサービスキープの展開が続いた。第1セットはタイブレークにもつれ込み、日本ペアがこれを制して先取。第2セットも互角の展開で再びタイブレークへ突入したが、オーストリアペアがこれを奪い返し、勝負はファイナルセットへ。

最終セット、日本ペアは集中力を切らさず、第7ゲームでブレークに成功。このリードを守り切り、3時間近い激闘を制して日本に貴重な2勝目をもたらした。
初のデ杯勝利を挙げた柚木は「個人的にまずは初めて勝つことができて本当に嬉しい気持ちです。この1年、陽介だったらどうするかなど、このデ杯を意識して過ごしてきた」と喜びを語り、綿貫も「すごくタフな試合で苦しい時間帯も長かったですが、負ける悔しさに比べれば苦しくない。去年の敗戦が生きたいい試合だった」と、ペアとしての成長と激闘を振り返った。


【第4試合】●望月慎太郎 3-6 3-6 〇ルーカス・ノイマイヤー
勝利まであと1勝と迫った第4試合、日本のエースとして期待された望月慎太郎が登場。オーストリアは当初のエース、オフナーに代わり、23歳のルーカス・ノイマイヤーを起用してきた。
望月は序盤からノイマイヤーのアグレッシブなプレーに押され、第1セットを3-6で落とす。第2セットに入っても流れを変えることができず、相手の勢いを止められないまま3-6で敗戦。これで対戦成績は2勝2敗のタイとなり、勝負の行方は最終試合に委ねられた。
2敗を喫した望月は「申し訳ない気持ちでいっぱい」と沈痛な面持ちで語り、デ杯を乗り越えたい山だという。「超えたいですし、でもなかなかそれが長いこと実現できてない。チームが勝つことが最優先だと思うので、そこは自分がまた挑戦したい気持ちはありますが、今は自信を持ってはっきりとは言えない」と、苦悩を滲ませた。


【第5試合】●西岡良仁 7-5 1-6 0-6 〇ユリー・ロディオノフ
運命の最終戦、日本は当初予定されていた綿貫に代わり、西岡良仁を投入する総力戦に出た。対するは初日に望月を破っているロディオノフだ。
第1セット、西岡は粘り強いラリーで相手を揺さぶり、5-5からブレークに成功して7-5で先取する。しかし、故障明け、そして直前まで体調不良で万全ではなかった西岡は、第2セット以降、明らかに運動量が低下した。ロディオノフの強打に防戦一方となり、1-6、0-6と連取され逆転負けを喫した。
西岡は「第1セットは取れたが、それ以降は体がついていかなかった」とコンディションの限界を吐露した。2-2で勝敗を委ねられる展開での起用は初めてという中、「それでも自分の実力としても、デビスカップでの強さというところも再認識できた」と顔を上げた。


監督コメント
■日本・添田豪監督

「結果的には悔しいですが、ダブルスで綿貫と組んだ柚木が初めて勝つことができたのは大きな収穫でした。難しいコンディションの中、選手たちがこの日に向けて最大限合わせてくれ、できることをやった結果なので、悔いはありません。しっかりとこの敗戦を受け止めて、また次に繋げていきたいです。(望月選手について)彼がこういった時でも強くなっていくと信じて起用しました。この采配がベストだと思いましたが、結果としてつらい経験をさせてしまったことに対し、采配した僕自身にも責任はあります。ただ、今後彼がさらに強くなっていく上で、これは乗り越えなければならないことです」
■オーストリア・メルツァー監督
「初日は1勝1敗、ダブルスも落とし1勝2敗と追い込まれましたが、シングルス2人が国のために素晴らしい戦いを見せてくれました。 特にユリーはタフな局面から調子を上げ、勝利を引き寄せました。チーム一丸となって努力で逆転し、9月のラウンドへ進出を決められたことを監督として誇りに思います」
試合結果
日本 2-3 オーストリア
【第1試合】〇綿貫陽介 6-3, 6-4 ●ゼバスティアン・オフナー
【第2試合】●望月慎太郎 4-6, 5-7 〇ユリー・ロディオノフ
【第3試合】〇綿貫陽介 / 柚木武 7-6(4) 6-7(8) 6-4 ●ルーカス・ミードラー / アレクサンダー・エルラー
【第4試合】 ●望月慎太郎 3-6 3-6 〇ルーカス・ノイマイヤー
【第5試合】 ●西岡良仁 7-5 1-6 0-6 〇ユリー・ロディオノフ
取材・文:保坂明美 写真:伊藤功巳

