『大正製薬 リポビタン 第45回全国選抜高校テニス大会』の団体戦が博多の森テニス競技場で開催され、3月24日(金)は男女準決勝が行われた。
男子は、第1シードの相生学院が関西に3−0で勝利する。準決勝から3セットマッチで行われる今大会において、シングルス1の山本夏生は失ゲーム5、若松泰地/谷畑幸洋のダブルスは3、坂本日色のシングルスは1と、圧倒的な強さをみせた。
もう一つの準決勝、四日市工業と佐土原は、シングルス1とダブルス1でフルセットに及ぶ接戦を演じる。1−1と勝敗を分けるも、四日市工のシングルス2、ダブルス2が手堅く勝利し、3度目の決勝進出を決めた。
四日市工は、20年連続42回目の選抜出場、2015、18年においては優勝を成し遂げている強豪校だ。しかし、昨年の選抜はベスト8、インターハイは緒戦(2回戦)敗退と、苦しい結果が続いていた。
徳丸真史監督は「全体的にみんなで勝てる感覚がなくなったきた」と危機感を抱いたという。
そこで再びチームとして戦うことを考え、30項目ほどのキーワードを出し、その中から一つ選んで、みんなでやり抜こうという提案を生徒たちに行った。そこで選ばれたのは「苦しい時、負けている時こそ声を出そう」という言葉だった。
練習でも工夫をした。16人の部員のうち、選抜出場のために選ばれるのは9人。このレギュラーになれなかった7人と、何度も対抗戦を行った。
「大きな声を出してもいいし、野次もOK、あるときは1面に全員を集め、みんなが見ている中で1対1の練習をさせたりもしました」
緊張の中、いかに自分の力を発揮できるかが団体戦の鍵となる。日々の練習でも試合に近い環境を作り出してメンタルを鍛えた。また、今回ダブルスは、1に1年生、2に2年生ペアという布陣で戦っている。
「色々な組み合わせを考えたが、選抜という5本の戦いでは、後半に勝負がかかることが多くなる。そこで2年生ダブルスに期待した」という徳丸監督の見立てどおり、準々決勝の柳川戦、準決勝の佐土原戦でもダブルス2の森脇央介/戌亥一真が試合を決めた。
「決勝だからといって何かを変えるわけではない。このまま上を目指して進んでいくだけ」
四日市工は過去2度の決勝進出で、いずれも優勝という結果を残している。相手が相生学院であろうと、やることに変わりはない。「苦しい時、負けている時こそ声を出して」戦うのみだ。
【3月24日の試合結果】
■男子団体戦 準決勝
相生学院 3−0 関西
四日市工 3-1 佐土原
【3月25日の試合予定】
試合予定はこちら
9:30〜 インドア1,2,4コート
相生学院 vs 四日市工
取材・写真/保坂明美