2014年の新たなシーズンに入りました。
国枝選手の普段の練習を離れて丸1年が経ち、今まで見えなかった部分を含めて、今まで以上に彼を客観的に観ることができるようになりました。
やはり、大切な時に普段の練習で何を行っているのかが分かります。その点は、現状のコーチが普段どれだけの苦労をしているかが良く分かります。
TTCで国枝選手の担当をしているコーチには、本当に頭が下がる思いです。
現在、私はグランドスラムをメインにツアーコーチとしての立ち位置にあります。
現在所属する、名古屋グリーンテニスクラブの大矢金太郎社長には、国枝選手のサポートを快く理解していただき、大会期間中のだけのサポートのみならず、本番までの「調整期間」として数日間の前乗りをさせていただけていることが、一つの成果につながっています。
実は、この「調整期間」が、我々にとって非常に「重き時間」となります。その重き時間の80%は、とにかく「コミュニケーション」、これが最も大切なことなのです。
練習で何をすべきか?
各ショットの精度による優先順位、また、それぞれの技術をどのように有効に使うのか、本番をシュミレーションしながら、計画化することが効率的に進める必須条件です。
また、当然のことではありますが、本番で必要な相手のビデオを準備し、それを見ながら選手とコーチで話し合い戦略を練ります。
昔、「準備力」について、記事を書いたことがあると思いますが、この「準備力」が我々に至福の時を与えてくれる一番の「肝」なのです。
選手の気持ちの余裕を無くす原因は、「準備力」の無さが9割を占めることでしょう。したがって、準備力は成果に直結する「集中力」を作り出します。
今大会は、相手がどのように戦ってくるから、自分はどのように戦うのか?ということよりも、自分が自分の武器を使ってどのように戦うのか?ということをシンプルに考え、集中力に変えています。
したがって「やることが決まっている」のが今の国枝選手。やることが決まっているので、試合中に「迷わない」ということができています。
試合の流れを見ていると、そのことが手に取るように理解できます。
技術力がある分、ある面では無いものねだりになりがちですが、事実を認識してシンプルに物事を考えていくことが、自分が本当に欲しいものを手にする確立を上げる重要なポイントです。
今大会は、これを信じて最後まで彼のサポートを続けていきます。