セリーナ・ウィリアムズ(テニス)

セリーナ・ウィリアムズ(テニス)9日、全米オープン女子シングルス決勝で、第4シードのセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ、4位)は、第1シードのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ、1位)を、6-2、2-6、7-5で下して、4年ぶり4回目の優勝を果たした。セリーナにとって、ウィンブルドンに続く今季二つ目のグランドスラムタイトルとなった。

悪天候によって、日曜開催となった決勝、第1セットでは、セリーナが、パワープレーで16本のウィナーを奪い、サービスブレークを3回成功してセットを先取した。

しかし、第2セット第1ゲームで、セリーナが、フォアのミスやダブルフォールトで、アザレンカにブレークを許すと、セリーナの一方的な試合の流れはせき止められた。さらに、果敢に深いストロークを打ち、勇気を持ってネットにも出るアザレンカに対して、セリーナがミスを強いられ、第5ゲームもブレーク。アザレンカが、ツーブレークで第2セットを奪い、セットオールとした。

ファイナルセットは、現在の女王であるアザレンカと元女王のセリーナとのプライドをかけた激しい攻防となった。第3ゲームをアザレンカがブレークすれば、第4ゲームをセリーナがブレークバック。ゲームを分ける大事なポイントを決めると、お互い大きなガッツポーズを作り、「カモン!」と叫びながら自らを鼓舞した。

第7ゲームで、アザレンカがベースラインの中に入ってリターンを強打し、セリーナのミスを誘いラブゲームでブレークに成功したときには、初優勝が近づいたかに見えた。

だが、アザレンカのサービングフォアザマッチの第10ゲームで、アザレンカがミスを連続してブレークバックを許すと、セリーナが息を吹き返した。さらに第12ゲームで、セリーナがたたみ掛けるような強打を放ってマッチポイントをつかみ、最後は、セリーナのバックハンドリターンの強打に押されて、アザレンカのストロークがラインを割り、2時間18分の戦いに終止符が打たれ、優勝を勝ち取ったのはセリーナだった。

「本当に残念です。悲しみもこみ上げます。でも、今日成し遂げたことを実感してもいるんです。素晴らしい試合でした。後悔はありません。今日は、セリーナがベストプレーヤーだった」

敗れた直後ベンチで頭をかかえながら落胆していたアザレンカだったが、記者会見では時折笑顔を見せ、準優勝という結果に誇りを感じているようだった。

そして、セリーナは、30歳で4回目の優勝を果たし、1999年に17歳で初優勝したときから実に長い間トッププレーヤーであることを、あらためて証明した。

「本当にすごいことだわ。1990年代、2000年代、2010年代。初優勝から今回の優勝までの13年間は長かった。本当に気持ちが高ぶっています」

ウィンブルドン、ロンドンオリンピック、そして全米オープン、立て続けにビッグタイトルを獲得したセリーナだが、まだまだ勝利へ貪欲だ。

「モチベーションは高いままです。私は30歳だけど、若さを感じているし、今まで感じたことがないほど身体もフィットしているし、エキサイトしているし、そしてハングリーよ」

今回の優勝で、セリーナのグランドスラムタイトル獲得数は15個となり、現役選手の中では他の追随を許さない。セリーナは、まだまだ記録を伸ばしていきそうだ。

※写真は、アザレンカを破って全米オープン4度目の優勝を手にしたセリーナ・ウィリアムズ

全米オープン

女子シングルス
決勝
セリーナ・ウィリアムズ(米国) 6-2 2-6 7-5 [4]ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)[1]

準決勝
ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)[1] 3-6 6-2 6-4 ●マリア・シャラポワ(ロシア)[3]
セリーナ・ウィリアムズ(米国)[4] 6-1 6-2 サラ・エラニ(イタリア)[10]

準々決勝
マリア・シャラポワ(ロシア)[3] 3-6 6-3 6-3 ●マリオン・バルトリ(フランス)[11]
ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)[1] 6-1 4-6 7-6[5] ●サマンサ・ストーサー(オーストラリア)[7]
サラ・エラニ(イタリア)[10] 6-2 6-4 ●ロベルタ・ビンチ(イタリア)[20]
セリーナ・ウィリアムズ(米国)[4] 6-1 6-3 ●アナ・イバノビッチ(セルビア)[12]

[ ]内の数字はシード順位