錦織圭(日清食品)が、完璧なプレーで芝のウィンブルドン、ダークホースのニック・キリオス(オーストラリア)を6-1、7-6(3)、6-4のストレートで破り16強になった。

集中していたのだろう、勝ちを決めると何度もガッツポーズをつくった。
「ベストのテニスができた。すべてがうまくいった」と。

4回戦では予選勝者のE・グルビス(29歳、ラトビア)と対戦する。グルビスは優勝候補の一人、世界3位のA・ズベレフ(21歳、ドイツ)を7-6(2)、4-6、5-7、6-3、6-0のフルセットで破り勝ち上がってきた。

故障でランキングを落としているが、2014年には10位になった選手。錦織との対戦成績は錦織の2-0だが、予選から連勝を重ねて上り調子だ。

8日、日曜日はミドルサンデーで休息日。ウィンブルドンは休みだったので、男女シングルス全ての4回戦は9日月曜日に行われる。
錦織圭対グルビスは2番コートの第二試合に入った。

ウィンブルドン試合の様子


センターコートのジョコビッチ対地元イギリス期待のエドモンド(24歳)の試合はジョコビッチが第1セットを4-6で落としている。

第2セットを 6-3、第4セットを 6-2でとったが、第4セットは競り合いが続いている。結局ジョコビッチが 6-4で取り16強になった。

錦織の前の試合、ズベレフ対グルビスはファイナルに縺れていた。
ファイナルはロングゲーム、6-6になってもタイブレークはなく2ゲーム差がつくまで永遠に行われる。

7時も回ったので、「試合はいつ入れるのだろう?できたとしても、今日は終わりっこないね!」と錦織はキリオスと談笑していたと教えてくれた。

結果グルビスがファイナルは6-0で取った。7時ギリギリに試合は終わり、錦織対キルギスの試合は夕闇が始まりかけようとしている7時27分に始まった。

【第1セット】

「出だしから集中して入れた」と錦織。
第2ゲームをブレーク、わずか12分で4-1とリード。

第6ゲームはダブルフォルトの連続で、またブレーク。
たった16分、6-1で第1セットを取った。

【第2セット】

最初のゲームをブレーク。
しかし第4ゲーム、40-30と3-1にできるゲームポイントを掴むが、ブレーク・バックされ2-2に。

タイブレークに縺れる。

4-3までキープが続くが、ここでキリオスはダブルフォルト。
続くポイントはバックのミスで錦織にセットポイントを与える。

するとイライラが爆発したか、観客席に思いっきりボールを打ち込んだ。
もちろんウォーニング。そして観客からはブーイングの嵐。

セットポイントはキリオスの鋭いリターンを錦織はフォアサイドに返した。見事そのボールはイン、7-3で取る。

【第3セット】

キリオスも集中力を取り戻してきた。才能ある素晴らしプレーを見せる。
「ウィンブルドンで優勝できるテニスをもっている」と錦織が認めるプレーだ。

錦織5-4とした、キリオスのサービスゲーム。
前に出てきたキリオスにドップスピン・ロブなどを決め0-40とマッチポイント。

キリオスはエース級のサーブでデュースに持ち込む。

夕闇が迫る。かなり暗くなっている。日本では考えられないだろうがもう午後9時を回っていた。
「(第2セット後半から)暗かったので、ボールを見るのが大変だった。」と言う錦織。
「(試合が今日中、日没前に)まさか終わると思っていなかった。」と良い意味で試合に集中できていたからだろう。

午後9時4分、4本目のマッチポイント。
9回の息詰まるラリー戦、キリオスのフォアがネットし、錦織は両手を突き上げた。

ありがとう。キリオス。とつい出てしまった。苦手意識なのだろう。キリオスの良さは発揮できなかった。

これで2年連続の4回戦進出。
狙うはグランドスラム大会すべてで8強以上の成績、日本男子初の快挙ではない。その上である。

そう言えばボルグがウィンブルドンで初優勝した時もこんな天気が続いていた。
誰もボルグの優勝を予想していなかった時だ。