添田豪(テニス)オーストラリア・メルボルンで開催中の全豪オープンは、15日に男女1回戦が行われ、日本の添田豪がルーク・サビル相手に6-7(4)、6-3、6-2、6-3の逆転勝利。添田は自身初の全豪オープン勝利を手にした。

添田にしてみれば、負けられない試合だった。相手のサビルは、これがグランドスラム本戦初出場の18歳。2011年全英ジュニアと2012年全豪ジュニアで優勝したオーストラリア期待のホープで、今大会はワイルドカードを得ての出場だ。

だが、「グランドスラムでワイルドカードの選手と戦うのは初めての経験」という困惑が、添田の動きから本来の軽快さを奪っていた。逆に失うもののないサビルは、大声援を背に積極的に向かってくる。添田は先にブレークを許し、追いつき迎えたタイブレークでも、開き直ったように打ち込むサビルに終始リードを奪われる。最後はリターンウィナーを決められ、第1セットを落とした。

第2セットに入っても、まだ添田から硬さは消えなかった。先にブレークするもブレークバックを許し、サーブもいつもの鋭さに欠いた。だが4-3から3度のデュースの末に再びブレークし、セットカウントで追いついた。

第3セットに入ると「ようやく硬さが取れてきた」という添田が攻勢に出、同時に体力の差が明確に現れだす。サビルは足にケイレンが来たのかトレーナーを呼び、目に見えてミスが増え始めた。一方の添田はショットの精度が増し、特に得意のバックでラリーを支配する。このセットは添田が6-2と圧倒した。

第4セットでは、最後の反撃とばかりにサビルが果敢に攻め3-0とリードを奪うが、添田は慌てない。まずは自分のサーブを確実にキープすると、続くゲームですかさずブレークバック。5ゲーム連取で相手の気持ちを折り、最後はダブルフォールトを引き出した。
 
こうして「勝って当然」のプレッシャーから開放された添田は、次は強敵ジョーウィルフリード・ツォンガに向かっていく。「過去の対戦から、ストロークは通じる部分もあると感じている。昨年、圭(錦織)が勝った相手なので、その良いイメージを持ってやりたい」と添田。

日本三銃士の連帯感と相乗効果で、昨年の錦織の再現を狙っている。

※写真は、1回戦でルーク・サビルを下して2回戦進出を決めた添田豪
Photo by Hiroshi sato