男子テニスツアー、Nitto ATPツアー・ファイナルズ。
錦織圭(日清食品)の最終戦はドミニク・ティエム(オーストリア)に1-6、4-6で敗れた。
錦織はフェデラーに勝ったが、アンダーソンに敗れたことにより、自力での準決勝進出はなくなっている。
それでも、条件付きだが、まず、錦織がこのティエム戦に勝ち、もし、続く試合でアンダーソンがフェデラーに勝ってくれれば準決勝に進出できる。
それと、例え、ティエムに負けても1セットを奪えば、アンダーソン勝利で2位通過の可能性もある。
その1セットを取ることが、錦織の見えない足かせになっているのだろうか?
最初のサービスゲームだった第2ゲームを連続ダブルフォルトなどで落とす。第2セットも得意としているストロークのミスが多かった。
「ほぼ試合にならなかった。
ティエムの良いプレーもあるが、それ以前に自分のミスが早く、相手を楽にさせてしまった」と思い通りのテニスができず落胆していたが、続いて、
「十分すぎる1年だった。
ATPファイナルに出られなくてもおかしくなかったので」と、昨年夏の右手首の故障を乗り越え、ツアー下部大会のチャレンジャーから始まり、ウィンブルドン8強、USオープン4強、そして世界ランキングでもトップ9と驚異の復活を果たし、失意の中でも充足感も感じているような錦織圭だった。
錦織圭対ティエム試合詳細
見えない敵と闘う
ティエムとの対戦成績は錦織の3勝1敗。勝ちに行った錦織圭だった。
ティエムのサーブで始まる。
最初のポイントは錦織、しかし30-30からはストローク戦で錦織のバックのストレートがロング、バックがネットとティエムがキープ。
第2ゲーム、錦織のサーブ、
スマッシュを決めるなど30-0。
ティエムがセカンド・サーブのリターンをミスり、40-0となったと思ったが、
ティエムは、そのポイントをチャレンジする。 スロー再生ではそのボールはフォルト、ダブルフォルトとなる。
ここから歯車が狂うのか?
続けてダブルフォルト、30-30。
デュース後に2度目のブレーク・ポイント、15回続いたラリー戦を錦織はフォアでロングに、0-2と落としてしまった。
40-0として、簡単にキープと思っていたが、チャレンジから流れが変に。
どうも何かしっくりいっていないようだ。0-3。
(次の試合でアンダーソンがフェデラーに勝利と言う条件がつくが)ティエムに対して1セットを取れば、2位通過の可能性がまだ残っている。
そのことが錦織の見えない足かせ、見えない敵、になってしまっているのだろうか?
1-3、15-40と錦織にブレーク・チャンスがきた!
4度のブレーク・チャンスがあったが、8分34秒かけティエムはキープする。
続く錦織、1-4の第6ゲームは約10分かかり、錦織が落とす。
6回のデュース、5回目のブレーク・ポイント、セカンド・サーブは僅かにワイド、なんとダブルフォルトだった。
ティエム、5-1、サービング・フォ・ザ・セット、デュースに持ち込むに持ち込んだ錦織だったが、2度目のセットポイントを決められた。
錦織は珍しくラケットをコートにたたきつけた。その後、ラケットを拾うと、もう1度。
悪い流れが続く。そのいらいらからかベンチに戻っても怒りは収まらないようだった。
第2セット
第2ゲーム 15-30 とするが、1-1。
2-2、錦織のサーブ、0-30だったが、デュースにする。
しかしフォアをネットでブレーク・ポイントを握られた。
凄いポイント、ネットをカバーして2度目のデュースに持ち込む。
またネットでカバー、3-2とナイスキープだ。
錦織ペースになってきた。
3-3、40-30のゲームポイント、錦織はダブルフォルト。今日5つ目のダブルフォルト。珍しく多い。
デュース後にブレーク・ポイントを握られた。
ダウン・ザ・ラインに先に打たれ、サーブをダウン。3-4。
ネットに出てプレッシャーをかける錦織だが、ティエムは落ち着いて処理をする。
5-4、ティエムのサービング・フォ・ザ・マッチ、
ネットに出てきた錦織をフォアのクロスでパス、40-0とマッチポイント。
錦織のバック深くへティエムはサービス・エースを決めた。
2年ぶり3度目の準決勝進出は絶望的になったが、それでも続くナイトセッションで、もしアンダーソンがフェデラーにストレート勝ちした場合、数学的には、錦織にもわずかに可能性が残っていた。
その場合、錦織、フェデラー、ティエムの3人が1勝2敗で並ぶ事となり、ゲーム獲得率の争いになる。
しかし、フェデラーが第1セットを取った時点で、アンダーソンとフェデラーの二人の準決勝進出が決まった。
ATPファイナルズ
<<準決勝>>
ジョコビッチ vs アンダーソン
フェデラー vs ズベレフ
ドロー及び成績表
会場:O2 アリーナ
11月11日(日)~11月18日(日)
ロンドン現地時刻(時差 -9時間)
試合スケジュール
オーダー・オブ・プレー
試合方式は、8人の選手を4人ずつ2組に分け、各組で総当たり戦。
各組の上位2人が準決勝に進出し、トーナメント方式で優勝を争う。
<<ヒューイット Group>>
R・フェデラー(SUI) 2勝1敗
K・アンダーソン(RSA) 2勝1敗
D・ティーム(AUT) 1勝2敗
錦織圭 1勝2敗
<<クエルテン Group>>
N・ジョコビッチ(SRB) 3勝0敗
A・ズベレフ(GER) 2勝1敗
M・チリッチ(CRO) 1勝2敗
J・イズナー (USA) 0勝3敗
ドロー及び成績表
優勝賞金:$2,712,000(約3億円)(全勝優勝)
優勝賞金:$1,280,000(約1.5億円)
準優勝:$620,000(約7000万円)
ラウンドロビン賞金
出場費:$203,000(2300万円)
1勝につき:$203,000(2300万円)
賞金及びATPポイント内訳
ATPツアー・ファイナルズはNHKとガオラで生放送
(記事:塚越亘/塚越景子 写真佐藤ひろし/TennisJapan)